人生の歩みを振り返る一枚 人吉市出身のピアニスト、有島京が初アルバム

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初アルバムをリリースした人吉市出身のピアニスト・有島京。高校卒業後にポーランドへ渡った自身の「これまでの歩みを振り返る一枚」と語る=熊本市中央区

 人吉市出身でポーランドを拠点に活躍するピアニスト有島京[みやこ](27)が9月、自身初となるアルバムを米国のクラシック専門レーベルからリリースした。生まれ故郷の日本と、音楽家としての地歩を固めたポーランドの作曲家の作品を集め、「これまでの歩みを振り返るような一枚に仕上げた」と語る。

 有島は中学まで人吉で過ごし、東京の桐朋女子高音楽科を卒業。2010年にポーランド国立ビドゴシチ音楽院に留学し学士、修士を経て18年に研究科を修了した。留学中の15年、ショパン国際ピアノコンクール本選に出場。現在は同国はじめ欧州各国で演奏活動を続けている。今年は一流演奏家が集まるメニューイン音楽祭(スイス)にも出演、世界が注目する若手音楽家の一人だ。

10月に県立劇場で開かれたリサイタルで金子三勇士と共演する有島京(左)=熊本市中央区((C)ルナスタジオ photo by chigusa)

 10月下旬には、熊本市中央区の県立劇場で人気ピアニスト金子三勇士と共演。アルバム収録曲の「雨の樹 素描」(武満徹作曲)など美しい旋律を繊細なタッチで響かせ、観衆を魅了した。

 アルバムは、武満のほかポーランドの作曲家シマノフスキ、ショパン、セロツキの計7作品を収録。シマノフスキ「ナウシカア」やショパン「舟歌」など、いずれも長年弾き続け「自分自身をよく表せる曲」という。特にショパン作品は小学生の頃から慣れ親しみ、「美しい旋律の裏に悲しみや喜びの感情が重なり合う上品さが魅力」と力を込める。

 ポーランドでの生活も10年目、「常に冒険しているようで楽しい」と笑う。今後もヨーロッパでの活動を希望しており、「プロとして音楽をどのような形で提示していくか考えながら、活躍の場を広げていきたい」。

 アルバムはネット販売のほか、電話注文・購入もできる。有島さんTEL090(1874)6712。

(平澤碧惟)

熊本日日新聞 2019年11月28日掲載