松田氏の選挙プランナー生命は…!? 高知県知事・市長選結果分析~現職に挑む側が候補者をまとめられない理由とは #選挙ドットコムちゃんねる 第3回

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「選挙をもっとオモシロク」を合言葉に、選挙や政治家の情報を独自の目線でお届けするというコンセプトに始まった「選挙ドットコムちゃんねる」も、今回で第三回となりました。

前回、MC乙武さんに煽られて、うっかり「選挙プランナー生命を賭けて」高知県知事選挙高知市長選挙の結果予想を公表してしまった松田さん。
いよいよ運命の結果が判明! 松田さんは選挙プランナーの看板を維持できるのか

そして「現職強敵候補に対し、対立候補が乱立して票を食い合う状況は、不利確実とだれもがわかっているのに、どうして対立候補を一本化しない・できないの?」と選挙ビギナーの多くが感じる大疑問に、その複雑な裏事情を解説。
「ははーん、なるほど」な理由に、ちょっぴり選挙通になった気分が味わえちゃいます!

ダウンタウン対決、ついに決着! 勝ったのは松ちゃん?浜ちゃん?

乙武 「2週にわたってお送りして、松田氏にも本気の予想をしていただいた高知県知事選と高知市長選の結果が出ました! さぁいったいどっちが勝ったのか? はい、ドン!」

乙武 「まずは県知事選。自公推薦の浜田氏の勝利~! 松田さんおめでとうございます!」

松田さんの予想の的中を称賛するMC乙武と満面の笑顔の松田さんに、アシスタントの千葉ちゃんはクールに一言。

千葉 「まぁ松田さんは応援していたわけじゃなく、予想されていただけですが」

松田 「いやあでも、正直ホッとしましたね。自公推薦、現職の尾崎さんが後継指名して全面的に応援していたので、順当にいけば浜田さんと言われてましたが。ただ共産党推薦の浜田さんも存在感を大きく示して健闘したという結果になりました」

乙武 「先週の放送でポイントは桜を見る会への批判というものがどのくらい影響するかというお話をされていましたが、この数字を見る限り、そこまで影響は受けなかったという見方でいいんですかね?」

松田 「そうですね、多少の影響はやっぱりあったかと思うんですが、それが大きな風になったというわけではなかったってことかな」

乙武 「最新の政党支持率調査を見ても、自民党支持は多少下がりましたけど、そこまでの影響はないですね」

松田 「内閣支持率では各社の調査で1~6ポイント程度下がっていますが、だいたいは40~45%くらい。ものによっては50%くらいとれているという結果ですから、大きく安倍政権への支持が下がっているという状況ではないですね」

過去ワースト2の投票率。その原因はそれぞれの「軸」が有権者にはピンとこなかったから?

乙武 「ただこの選挙、投票率は47.67%ということで、過去2番目に低い数字みたいですね」

松田 「年々、どの地域も基本的に地方選挙の投票率は下がり続けているんです。全体的に下げトレンドではあるけれども、今回の高知県知事選はあまり盛り上がらなかったというのはありますね」

でもマスコミからは「ダウンタウン対決」と取り上げられ、地方選挙としての注目度は低くなかったはず。
いったいどうして、盛り上がらなかったんでしょうか。

松田 「浜田さんが自公推薦、対する松本さんは共産党(野党)推薦ということで、やはり与野党対決のようなフォーカスをされてしまって、あまり『これからの高知県をどうしていくのか』という議論がいまひとつ深まらなかった気がしますね」

乙武 「地元的な争点としてはどうだったんですか?」

松田 「尾崎県政がこれまでやってきたことの継承か変化かというところと、県と国との関係というところでしょうかね。
やはり元総務省の浜田さんは国とのパイプというところを強調されていましたし、松本さんの方は国に頼らない独自の県政を訴えていて、それぞれが軸を持ってはいたものの、高知県の有権者からすると少しピンとこなかったのかな、というところですかね」

高知市長選の結果もズバリ的中。多選への批判を乗り越え現職岡田市長、5選!

乙武 「そして同日に行われた高知市長選の結果がこちら!」

乙武 「松田さん、またまた的中! すばらしい(拍手)。
先週の放送で、多選への批判がある現職に対抗する候補が4人出たことで、現職に対する批判票が割れて、現職が当選するのでは、という松田さんの見立て通りになりました」

松田 「こちらは全然、情報がなかったんでヒヤヒヤしていたんですが……。
まあ5期20年目を現職に任せるかどうかということで、これだけ新人が立候補すると、現職に批判的な票が割れてしまうというのは、選挙には非常によくある構図というか、問題点なんですよね。
今回は、岡崎さんが見事に勝ち切られたということで」

乙武 「5期目! 20年! やる!?」

先週に引き続き、長すぎる任期にやや批判的な乙武さん。

松田 「そうですね。まだ66歳で大変お元気ですし。市民にとっても多選の場合は『高齢かどうか』 というところが争点になって、投票の大きな基準になる場合もありますけど、それほど高齢でもなく、現状の市政に満足していれば『そのまま現職に』となる場合もあると」

乙武 「うーん、政治っておもしろいなって思うのは、一般的にですよ、66歳って定年迎えて6年たってるわけでさ、世間的には『若手』とか『脂がのってる』なんて言わない年齢、大ベテランですよね。だけど政治家の世界だと66歳はまだまだ元気で若いっていうイメージなんですね」

松田 「若い、とまでは言わないですが、首長であったり国会議員の場合は、期数を重ねることで経験を積んでいくというか、経験と実績が評価されやすい土壌にはあると思いますね」

乙武 「これが70代とかになると少し見え方も変わってくるんですか?」

松田 「やはり70代で5期、6期となってくると少し現職に対しての批判的見方は増えてくるんじゃないかと思いますね。60代はまだ人生100年時代と言われる今、政治家としてはまだまだ現役という見方をされるというか」

乙武 「なるほどね。これすぐデータが出てこないかもしれないんですけど、戦後の都道府県知事で、最長に期を重ねた方って何選くらいやってるんですか?」

松田 「うーん、知事だと8期くらいじゃないかな」
(*編集部注:最長在職記録は8期を務めた元石川県知事の中西洋一氏。在職約31年)

乙武 「8期!? 32年っ?」

千葉 「私の全人生より全然、政治家としての人生が長い……」

松田 「地方議員ですと、私の記憶では11期という方が確かいらした気がします」

乙武 「11期×4年(任期)ってことは44年か……。
でもたしか、小沢一郎さんて在職50年くらいでしたっけ?」

松田 「そうですね、小沢さんは今、在職何年だったかな?」
(*編集部注:小沢一郎氏・77歳 衆議院議員当選17回、在職50年)

乙武 「いやーすごい、半世紀だよ!」

乱立した対立候補はなぜ、一本化できなかった?

千葉 「5期目の方が当選されましたが、ほかの新人の方4名の方は、自分たちの中で票が割れるってことはわかってらしたんですよね? 素人考えですが、例えばそれをみんなで話し合いをして一人に絞るとかいうのは、できなかったんですかね?」

松田 「本当に勝ちたければ、各陣営はそういう動きをするべきだという考え方はありますよね。
実際、候補者の調整をして一本化して闘うという流れも選挙によってはおきますし、一本に絞ったことで選挙の結果が変わる、つまり現職が負けるってこともあるんです。
一方で、有権者に対して『たくさんの選択肢を与えるという意味で、それぞれが立候補して主張すべき』という意見もあるんですね。

まぁそこは、なかなか調整がつく場合とつかない場合がありますね。
シンプルに選挙で勝つことだけを考えれば、それは現職に対抗して候補所は一本化するのが基本であり、必勝策なんですが」

乙武 「そこがまさに『政治』ですよね」

松田 「そうですね。駆け引きと候補者調整というのはすごく重要なポイントになります」

乙武 「でもそれこそが実際に当選した後、政策を通していく力を見極めるポイントになってくる」

松田 「そうそう。ただ、そこでお金が行きかっちゃったりするとこれはもう買収になってしまうので、そういったことをしないで、候補者の調整ができるかっていうのは、なかなかねー現実では難しい」

わずか24票差で決した米沢市長選。数え間違いってことはないの?

乙武 「じゃあほかの選挙結果も見てみましょうか。
米沢市長選では現職が新人に……、おっ? 24票差で勝利!
当選した現職の中川さんが20241票、負けた近藤さんが20217票か。
はぁーこんなことってあるんですね」

松田 「ありますね。首長選挙だと、ここまでの接戦は珍しいですが、ときおりは数票差なんていう結果もありますし。
本当に、24票差ってなると、各陣営で一生懸命お手伝いされていた方が、それぞれあともう1人、2人に必死に声掛けしたら勝ったんじゃないかっていう票差なんで、負けた近藤さんの支持者の方は悔しくて、肩を落とされているんじゃないかと……」

乙武 「『悔しいっ!』、でしょうね。
でもこのくらいの僅差だと、数え間違いがあったんじゃないかって思いたくもなるんですが。
そういう『数え直してくれ』みたいな要請ってできるんですか?」

松田 「実際、数え直しは手続きとしてはできますね。
ただ24票差だと、さすがに受け付けられないのではないでしょうか。

前提としてね、開票所の作業場に各候補者の陣営からそれぞれ『開票立会人』という開票作業を見守る方がいるんですよ。どちらの票かわからないものなんかを『疑問票』というんですけど、それをどっちの1票にするか、開票立会人同士でかなり意見を出し合って、それを選管の人たちも見て、公開の場で議論するわけです。
もちろん数え間違いがないかというのも、お互いに監視しあうわけです。

両陣営の開票立会人に選管の方がいて、そして複数で開票・集計作業をするわけですから、それだけの目で見ていれば、そこまで大きな数え間違いというのは、ほぼ起こりえないですし、起っちゃいけないんです。
それでも実際に1票、2票の数え間違いは起きているわけですけれども」

電子投票を採用するアメリカが、日本の選挙システムを「非常に強固」と評価?

乙武 「人の手がやることですもんね。
デジタルで投開票やってるところってないんですか?」

松田 「実は、日本でも電子投票が一時的に検討されて、試験的に導入された選挙があったんですよ。
ただそこで、トラブルが起こってしまってですね。
たしか熱暴走だと思うんですけど、機器が動かなくなってしまった」

乙武千葉 「うわー」

松田 「最悪の結果になって、選挙がやり直しになったんです。
それである筋の話によると、担当した方が仕事を辞められたとか、一説には自死されたとか……。
そういう大きなトラブルになってしまって、電子投票が怖くてどこの自治体も導入しないという」

乙武 「たしかにそれは怖い」

松田 「アメリカの大統領選挙でも、ブッシュとゴアの戦いの中で、実際にフロリダで『自分が投票したものがカウントされているのかどうかわからない』と、かなりもめた事例もありましたよね。
アメリカなんかだと今、ロシアのハッキングがどうのこうのという話もあるので、電子的に集計されたものがハッキングされて改ざんされるんじゃないかと、危惧する声もあります。
それに対して、ブロックチェーンで、という対応も言われていますが、まぁ改ざんされにくいとなればやっぱり紙。
これだと証拠が残ってるから、改ざんできないですよね」

乙武 「あとで数え直しができるもんね」

松田 「だから逆にセキュリティとしては、紙を使う日本の選挙システムは非常に強固だと、アメリカの人たちに評価されてるという、笑い話みたいな事情もあるんです」

乙武 「過去、紛失のトラブルなんかはないんですか? 投票した箱自体がなくなっちゃったみたいな」

松田 「実際、票の数が合わないってことはあります。
それは別のところによけてたものを、数え忘れたりとか。
あとは数字が合わないときに、選管の人が隠しちゃって、あとで大きな問題になったケースも数例あります。

よく不正選挙に関して言われることなんですが、誰かが何か意図をもって、特定の候補者や政党、政治家を当選させようとして不正をするんじゃなくて、強引に集計の帳尻を合わせる、いわば集計ミスをごまかす行為がほとんどで、過去に何個かあります。

もちろん今後、こういうことがないように各選管が取り組んでいるんです」

―――不正選挙については次回やりますので、このへんで(スタッフ)―—

世界が注目する香港の区議選、中国は結果を受け止めるのか?

乙武 「さあもうひとつは、香港での区議選。民主派の圧勝!
これすごい結果になりましたね!」

松田 「びっくりしましたね。圧倒的な議席数の差で、しかも、前回よりも20%以上アップの70%を超える投票率。
まさに民意が示されたという形なんですけど、実際これが今後どういう形で香港の未来に関わってくるのか。

香港区議選については、私も乙武さんも親しい堀潤さんがずっと丁寧に発信を続けていますが、この選挙結果を受けて中国政府がどう受け止めて対応するのかというところは、今後、民意をどのくらい重視するかというひとつの試金石になると思いますね」

乙武 「……しないでしょ、重視(笑)」

松田 「まあしないでしょうね(笑)」

乙武 「でもその中国の姿勢を、国際的にしっかり注視していくっていうのは、みんなでしっかりやっていきたいですね」

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