「NHKスペシャル」ドラマ“パラレル東京”DAY3―余震が起きた時に小芝風花が心がけることとは？

「NHKスペシャル」ドラマ“パラレル東京”DAY3―余震が起きた時に小芝風花が心がけることとは？

12月1～8日まで放送されるNHKスぺシャル「シリーズ 体感 首都直下地震」。12月4日には、震災から3日経った「パラレル東京」が映し出されます。2日目には、SNSに飛び交うデマ情報で多くの人々が亡くなる事態が起き、言葉を失う倉石美香（小芝風花）。その上、深夜には大規模停電の影響で携帯電話の基地局の電源が喪失し、“広域通信ダウン”が発生してしまいます。今回は、主人公の美香を演じる小芝風花さんから、日本で起きた大地震を振り返りつつ、ドラマ「パラレル東京」3日目について語っていただきました。

──ご自身は大地震を経験したことがないそうですが、東日本大震災の時は何をしていらっしゃいましたか？

「大阪に住んでいて、家族でご飯を食べに行っていた時に地震があったんですけれども、大阪はあまり揺れを感じなかったんです。でも、阪神・淡路大震災を経験している母が『すごく嫌な予感がする』と言っていたのが印象に残っています。今回、あらためてこの作品をやらせていただくにあたって、実際の地震が起きた時の映像を拝見したんです。津波が実際に押し寄せる映像と数時間後のニュースの映像を見ました。濁った水に町が覆われてどんどん飲み込まれていって、水の中なのに火が上がっている衝撃的な内容で。役としては、アナウンサーの方の声を重点的に聞いていたんですけど、実際に津波が押し寄せる映像に、私はぼう然としすぎて言葉が出なくて…。その中でも『危ないです。逃げてください』と伝えるアナウンサーから、1人でも多くの方を救いたいという意思の強さを感じました」

──お母さまが阪神・淡路大震災を経験されたとのことですが、当時の話は聞かれましたか？

「聞きました。母が朝寝ていたら、『ドーン』と下から突き上げられてベッドから浮いたそうです。その後、家の前にある高速道路の継ぎ目みたいなところがガシャンガシャンとぶつかる音がずっと響いたということでした。ほかにも、火災の被害が多かったようです」

──DAY3では、震度6の最大余震が起こりますが、もしご自身が同じ境遇にあったらどうされますか？

「余震というワードだけを聞くと、最初の地震より小さいのが来る感じがするじゃないですか。でも、余震の方が大きいこともあるから、とにかく油断はしないことが大事ですね。ちょっとした気の緩みだと思うんです。余震だから揺れても大丈夫という意識は持たずに、さっきより大きいのが来るかもしれないと思って、スニーカーを履いておくなど、緊急時の対策をする必要はあると思うんです。今この時間だったら大丈夫とか、ちょっとくらいならという判断で運命が分かれちゃうので、気を抜かないことを心がけるべきだと思います」

──震災を体験していない視聴者が“自分事”とするにはどうしたらいいと思われますか？

「普通に家族とご飯を食べて友達と遊んで、くだらないことで笑えるという日常の中で、被災された方のようには感じられないと思うんです。でも、いざ地震が来た時に、知識があれば全然違うと思うので、この作品を本当に見てほしいと思います。実際にドラマを見ていただくと、共感しやすいと思うんです。キャスターの美香が被災して一生懸命に悲惨な状況を伝えているのを見ると、受け入れやすいというか…。こういう時は動いちゃいけないとか、家を出る時はブレーカーを切らなきゃいけないなど、ちょっとした知識を持っているだけで、被災した時に役に立つことはたくさんあります。同じようには感じられないかもしれないけど、知識を持ってほしいなと思います」

──ありがとうございました。

12月4日の放送では、発災から50時間以上たった東京の状況を伝えます。大規模火災はようやく鎮火に向かい始めますが、各地で食料や水などの物資の不足が目立ってくる事態に。美香の妹もいまだ消息が分かりません。そんな中、雑居ビルに閉じ込められた人々の救出が東京消防庁のハイパーレスキュー隊によって開始されます。悲しい話ばかりの中で、希望が見いだせたと思ったところに、震度6の最大余震が襲いかかるのです。“物語”であれば、いい話の一つも加えるところなのでしょうが、現実はそんなに甘くないですよね。生放送のパートでは、余震があった時の身を守るすべなども紹介します。起こりうる出来事ばかりなので、見る価値ありです。

NHK担当 K・H