島﨑信長◆「画も音も声も全部がハイハイハイハイクオリティーで(笑)、素晴らしかった」

島﨑信長◆「画も音も声も全部がハイハイハイハイクオリティーで(笑)、素晴らしかった」

戦争で右腕を失った少年・レビウスが、体と機械を融合させて闘う格闘技“機関拳闘”と出合い、才能を開花させていく――。そんなNetflixオリジナルアニメ「Levius(レビウス)」で、主人公のレビウス役を務める島﨑信長が、「恋するVoice!」に登場。本作の印象や魅力、収録現場でのことなどについて直撃取材した。シリアスなイメージの強い本作だが、「温かい作品でもある」そうで…!?

──まずは、島﨑さんがこの作品を知った経緯から教えてください。

「オーディションを受ける前に、イメージをつかんでおきたくて(原作の漫画を)拝読したのが最初なのですが、面白くて読むのが止まりませんでした! 一気に全部読んでしまいましたね」

──確かに画が奇麗ですし、生々しい展開にもくぎ付けになりますよね。

「闘う姿もすごくカッコ良くて魅せられました! レビウスは子ども時代に戦争を経験していて、そこで父親を亡くしていますし、母親が植物状態となっていて、さらにレビウス自身も右腕を失っています。なので、彼はとてもつらい境遇の持ち主で、孤独を背負いながらも目の前の相手に立ち向かうという印象を受けるんですが、“レビウス=孤高の戦士”かというと、実はそうではないと思うんです」

──孤独ではないと?

「はい。レビウスのトレーナー・ザックス(諏訪部順一)は父親のように温かいですし、エンジニアのビル(櫻井孝宏)はクールに見えてすごくレビウスのことを気にかけてくれているんです。そこには、ちゃんと“家族愛”があるんですよね。この作品の取材でご一緒した瀬下(寛之)総監督もおっしゃっていたんですけど、むしろ“過保護”なんです。時に頑固なレビウスに振り回されながらも、ザックスたちは必死にサポートしてくれますから。そういう関係性がすごく良くて、僕の好きなところです。見ていて前向きになれる作品だなと思いました」

──では、そんな作品の収録はいかがでしたか? 聞くところによるとプレスコ(音声が先にあり、映像を後からつける形式)だったとか。

「そうなんです。(本作の制作会社である)ポリゴン・ピクチュアズさんは、基本的に画に合わせて声を録るアフレコではなく、声を録ってから画を作っていくプレスコということで、収録では台本だけを頼りにラジオドラマのようにお芝居していきました。なので、掛け合いがより重要になりましたね。画というガイドがない分、お互いに想像力を働かせて気持ちを共有して芝居していく、というか」

──タイミングもリズムもスピードも、すべてキャストが作っていくわけですね。

「だから“本当にその場で作られていく感じ”がありました。それに、この作品は人間ドラマという側面もあるので、登場人物全員がちゃんと“人間をしている”んですよ。例えば、“元気系キャラです!”と言っても、毎日元気ということはないじゃないですか。人間なら、その日の気分や体調にもよって変わってくるので。そんな細かなニュアンスも、瀬下総監督たちの的確なディレクションを受け表現しています。“悲しみつつ怒り、笑っているんです”というようなディレクションを受けていましたね」

──すごく複雑なディレクションですね。

「そうですね。ただそれは、瀬下総監督や井手(恵介)監督の頭にちゃんとビジョンが浮かんでいて、はめるべき芝居というものが見えていたからなんです。複雑でしたけど的確で、なぜそういうニュアンスになるのかは僕も感覚的に理解できました。不思議とやりやすかったです。どんなディレクションも確実に応えられるキャストさんばかりだったので、引っ張っていただけたのも大きいです。本当に、すべてがプロフェッショナルな現場でした」

──そんな収録を経て出来上がった映像を見た時は、さぞかし感動されたでしょうね。

「本当に感動しました! 画も音も声も全部がハイハイハイハイクオリティーで(笑)、素晴らしかったです」

──もうすでに全話見た方もいれば、これから見る方もいると思うのですが、島﨑さんおすすめの「忘れられないシーン」はありますか?

「特定のシーンではなく、小野大輔さん演じるヒューゴのエピソードが忘れられないです。パッと見た印象はゴリッとしたマッチョだから、“他の作品でよく見る、かませ犬かな?”とか“そこまで活躍する?”とか思うんですけど…すごく活躍するんです。小野さんのお芝居も素晴らしくて、完成した映像を見ていたら“泣ける…”ってなりましたね」

──あらためて、人間を描いている作品ですよね。

「そうですね。なのでもちろん、ザックスもビルもナタリア(佐倉綾音)も、どのキャラクターも素晴らしいです! よく見ていると、“ザックスは、レビウスと話す時とナタリアと話す時で対応が違うな”といったところにも気付くはずです。機嫌や体調だけでなく、相手によっても受け答えの仕方って変わるものですからね。そういう細かなこだわりがにじんでいる作品だと思います」

──島﨑さん自身も、作品のとりこになっていますね。

「はい、本当にすてきな作品ですので! ぜひたくさんの方にご覧いただいて、レビウスに対して“過保護”になってもらえたらうれしいです」

【作品情報】


Netflixオリジナルアニメシリーズ「Levius -レビウス-」
Netflix 全世界独占配信中(全12話)

中田春彌による漫画をNetflixオリジナル作品としてアニメ化。新生歴19世紀、戦後のこの時代では、人体に取り付けた機械を駆使し闘う“機関拳闘”が盛んに行われていた。レビウス(島﨑)は、戦争で失った右腕に義手と機械を付け、日々闘いに挑み…。

【プロフィール】


島﨑信長 Nobunaga Shimazaki
12月6日宮城県生まれ。いて座。A型。アニメ「ブラッククローバー」「ダイヤのA act Ⅱ」(ともにテレビ東京系)、「Fate/Grand Order -絶対魔獣戦線バビロニア-」(TOKYO MXほか)などに出演中。アニメ「フルーツバスケット」2nd season(テレビ東京ほか)が2020年放送。「バキ」第2期が20年にNetflixで先行独占配信。

【プレゼント】


島﨑信長のサイン入り生写真を2名様にプレゼント!

ハガキでの応募方法は「TVガイド」12/13号(P114)をご覧ください。
「TVガイド」の購入はコチラ→https://zasshi.tv/category/TVG

取材・文/松本まゆげ 撮影/山下隼

© 株式会社東京ニュース通信社