3年契約ハム近藤、23年開業新球場のプレー熱望 「また契約してもらえるように」

契約更改に臨んだ日本ハム・近藤健介【写真:石川加奈子】

3年契約は年俸変動制、1年目の来季は1億5000万円プラス出来高

 日本ハムの近藤健介外野手が3日、札幌市の球団事務所で契約更改交渉を行い、年俸変動制の3年契約を結んだ。来季年俸は5000万円増の1億5000万円プラス出来高(金額は推定)。順調にいけば2021年に国内フリーエージェント(FA)権を取得するが、権利行使せずに22年まで日本ハムでプレーすることが確定した。

 今季最高出塁率のタイトルを初獲得したリーグ屈指の好打者と球団の思いが一致した。会見に臨んだ近藤は「お互い話し合って、いい契約になりました」と満面の笑みを浮かべた。一方、吉村浩GMは「ある意味、今年の成績は彼のスタンダードなら最低ライン。今後何年かに渡って首位打者などタイトルを獲る選手だと考えているので、長期に渡ってしっかりやっていただきたいということ。本人もそういう意向だったので」と説明した。

 高卒ドラフト4位で入団した1年目から1軍で腕を磨いてきた近藤は現在26歳。順調なら2年後に国内FA権を取得するが、3年契約に迷いはなかった。「ファイターズにいたいというのが一番だったので。それはGMにも伝えましたし、それもあっての3年契約かなと思います」とサラリと言った。さらに、23年に開業予定の新球場でのプレーまで熱望。「そこでプレーしたい気持ちももちろんあるので、まず3年しっかりやって、また契約してもらえるように頑張りたいなと思います」とチーム愛がほとばしった。

 複数年契約を結んだことで、チームの主力しての自覚が一層強くなった。「来シーズンは、リーグ優勝、日本一になるために、まずは結果で引っ張っていきたいと思っています」と言葉に力を込めた。具体的に目指すのは、ここ数年公言している首位打者のタイトル獲得。「パ・リーグはいいバッターが多い中で、簡単じゃない。3割5分くらいを目標にしないと獲れないと思います」と高みにチャレンジする。

 今季はリーグトップの103四球を選び、最高出塁率(.422)のタイトルを獲得したものの、打率.302は納得できる数字ではなかった。「今年は悪い時がものすごく悪かった。それがあるバッターは首位打者になれないと思う」と状態が良くない時のレベルアップを図る。

侍Jで巨人・坂本、楽天・浅村らと打撃議論を交わし、さらなる進化を模索

 侍ジャパンで一緒だった巨人・坂本や楽天・浅村と打撃議論を交わし、ヒントは見つかった。「ボールの内側を打つイメージ。いろんなボールに対応できると思うし、(バットにボールが)乗る感じもあると思うので、打球も飛ぶんじゃないかなと思います」と新技術を模索する。

 年明けには、徳之島で若手選手と7人で自主トレを行う。“近藤塾”からは渡辺諒内野手ら若手が続々と育っており、今年は新たに今井順之助内野手が加わる。若手のレベルアップにも一役買う近藤は「本当にみんな練習熱心ですし、僕も負けないようにやりたいなと思っています。アドバイスしたり、僕も刺激を受けながら、いいオフを過ごせたら」と語った。

 来季は、東京五輪という一大イベントも控える。「オリンピックに出たい気持ちはあるので、しっかり稲葉監督に選んでいただけるように、開幕から飛ばしていきたいなと思っています」と表情を引き締めた近藤。3年契約1年目、多忙なシーズンを最高のシーズンにする。(石川加奈子 / Kanako Ishikawa)

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