「魔の交差点」改良工事進む 熊本市中央区・迎町交差点

©株式会社熊本日日新聞社

道路改良事業が進む迎町交差点。左右に走るカーブした道路が国道3号=2日、熊本市中央区
夜間工事中の迎町交差点=28日午後10時10分過ぎ、熊本市中央区

 重大事故が多発し、「魔の交差点」と呼ばれた熊本市中央区の迎町交差点の改良事業が、2019年度末の完了に向けて急ピッチで進んでいる。用地買収など11年度の事業着手から9年。道路利用者や地元住民は事故を抑える改良効果に期待する。不名誉な呼び名を返上できるか-。

 迎町交差点は、大きくカーブした国道3号に、市道(通称・産業道路)などが交わる変形5差路。20年以上前から大型トレーラーが交差点脇の店舗に突っ込むなど重大事故が度々起きていた。09年8月には大型トレーラーが横転。車7台を巻き込み、5人がけが。10年5月にも横転し、運転手が軽傷を負ったほか、近隣が停電になった。

 これを受け、国土交通省熊本河川国道事務所などは11年2月までに、滑り止め効果のある青色のカラー塗装を施すなど緊急工事を実施。11年度から「本体」の改良事業に乗り出した。

 国道3号上り線は、交差点先のバス停が進路をふさぐ要因になっていたことから歩道側にバス停用の土地を買収。17年度から夜間、路面を掘り返す工事を始め、上下線のカーブを緩やかにした。さらに、曲がりやすいようカーブの内側を低くするため、路面に傾斜を設けるなど事故を防ぐ工夫を施した。総事業費は11億円。

 県警交通企画課によると、14年から今年10月末まで死亡事故はないものの、重傷3件を含む計37件の人身事故が発生。同課の合瀨勝彦次席は「交差点進入前の減速が大切」と呼び掛ける。

 迎町交差点を仕事で通るという大型トラック運転手の平川英生さん(57)=合志市=は「工事前、国道3号上り線の交差点カーブで、隣の車線を走っていたトレーラーとぶつかりそうになったことがある。今はカーブが緩やかになったので曲がりやすい」と話す。  軽トラックで交差点を毎日通るという近くの自営業、貝嶋慶治さん(47)は「交差点近くのバス停が改良されたので、朝夕の渋滞も解消されるのでは」と期待した。

 近くに住む大津幸子[ゆきこ]さん(83)は「『魔の交差点』なんて呼ばれ方をされるのは嫌なので、工事が終わったら車も歩行者も安心して利用できるようになってほしい」とほほ笑んだ。(緒方李咲)

(2019年12月4日付 熊本日日新聞朝刊掲載)