米沢織の魅力、ストールに

老舗の若手社員らが新ブランド立ち上げ

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「nitorito」のストールに込めた思いを語る鈴木健太郎常務(右)と斎藤美綺さん=米沢市・青田風

 米沢市六郷町一漆のカフェギャラリー青田風で、米沢織ブランド「nitorito(ニトリト)」のストールの展示販売会が開かれている。同ブランドは、婦人服地などを製造する同市の青文テキスタイル(寺島規人社長)が今年9月に立ち上げた。田園風景に囲まれたカフェの雰囲気とも相まって、ブランドに込めたストーリーが来店客にじわじわと広がっている。

 青文テキスタイルは1877(明治10)年の創業で、国内外のアパレルメーカーなどに服地を卸している。高級ブランドなどにも使用されているが、消費者に社名や米沢の名前が伝わることはほとんどない。「地元の人にも伝え切れていない米沢織の魅力を次世代につないでいきたい」と、若手社員らが自社ブランド立ち上げを企画した。

 新ブランド事業は鈴木健太郎常務(43)と斎藤美綺さん(24)の2人を中心に推進する。ブランド名は「ニットと織りと」から。アパレルメーカーとの過度な競合を避けるため、服ではなくストールの企画、製造、販売で勝負することを決めた。新たに挑戦する消費者との取引は「(長さの)メーターから枚へ」が合言葉だ。

 培ってきた高い技術力を発信する方法として、米沢織の歴史を育んできた米沢の風景をデザインに盛り込む手法を用いた。田園風景をイメージしたデザインの商品名はそのまま「tanbo」。山に囲まれた盆地の風景を「mountain&moon(山と月)」という商品に表現した。

 商品ラインアップは6デザイン12色で、1万4080~1万6280円。販売は自社サイト(nitorito.com)を中心に考えており、展示販売会を都内百貨店などで開いて露出を拡大している。地元米沢では今回が初開催。ブランドコンセプトがカフェの客層ともマッチし、興味を持って購入していく人も多いという。

 鈴木常務は「米沢織を伝統的に捉え過ぎて、身近にはないのがもったいない」。都内の大学で繊維デザインを学び、県外から同社に飛び込んできた斎藤さんは「米沢織に関わる人たちに刺激を与えられれば」と話す。同店での展示販売は8日まで。

6デザイン12色をそろえるストール