正捕手不在のエンゼルス 動き続ける捕手市場で誰を狙う?

ケバン・スミスをノンテンダーFAとしたことにより、エンゼルスは正式に捕手市場での補強に乗り出すことになった。エンゼルスの40人枠にはマックス・スタッシとアンソニー・ベンブームの2人しか捕手がおらず、スタッシは右股関節の手術により来季の開幕に間に合わない可能性がある。また、ベンブームはメジャーで25試合の出場経験しかない。有力フリーエージェント選手が次々に契約先を決めている捕手市場において、エンゼルスは正捕手として誰を獲得するのだろうか。

MLB公式サイトでエンゼルスの番記者を務めるレット・ボーリンガーは、エンゼルスが獲得する可能性のある捕手として7人の名前を挙げている。マーティン・マルドナードは、エンゼルスに在籍していた2017年にゴールドグラブ賞を受賞した経験があり、大谷翔平ともバッテリーを組んだ。また、アストロズではゲリット・コールともバッテリーを組んでおり、コールの獲得を狙うエンゼルスにとって、ベストのターゲットと言えるかもしれない。

マルドナードと同様にアストロズからフリーエージェントとなったロビンソン・チリーノスは、今季17本塁打を放つなど、攻守のバランスが取れた捕手である。打てる分、マルドナードより好条件を得ることが予想されている。故障に泣いた2018年からの復活を遂げたジェイソン・カストロも、攻守のバランスが取れている。今季はミッチ・ガーバーの控えに甘んじたが、正捕手を務めるだけの実力は十分にある。

スタッシやベンブームと併用する捕手を獲得するのであれば、アレックス・アビラやラッセル・マーティンも候補となる。アビラはタイガース時代の2011年にオールスター・ゲーム選出&シルバースラッガー賞の実績があり、現在も平均以上のフレーミング技術を維持。マーティンはすでに36歳とピークを過ぎているものの、豊富な経験やリーダーシップが魅力だ。

また、トレード市場にはウィルソン・コントレラス(カブス)やオマー・ナルバエス(マリナーズ)といった実力者もいる。ジョー・マドン新監督が今季までカブスを率いていたことを考えると、コントレラス獲得も選択肢の1つとなり得るが、莫大な対価が必要となることが予想されるため、トレードが実現するかどうかは微妙なところ。ナルバエスも打撃型の捕手であるため、エンゼルスのニーズに合致するかどうかは不透明だ。

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