密漁撲滅宣言を可決 みなべ町議会「漁業者の生活守る」

©株式会社紀伊民報

 和歌山県のみなべ町議会は3日の12月定例会で、漁業者の生活を守る目的で「みなべ町の海岸の秩序を維持し密漁を撲滅する宣言」案を可決した。町の取り組みとして、漁業法にのっとり厳正に対処することや、海上保安庁や警察と連携を図り、密漁撲滅、秩序維持に努めることなどをうたう。

 町沿岸海域は共同漁業権が設定されており、権利者以外がイセエビやアワビ、ナガレコ、ヒジキ、ワカメ、ヒロメなどを取ることは禁止されている。県の漁業調整規則で、遊漁者はもりや「ヤス」と呼ばれる道具で水産動植物を取ることも禁止されている。また、地元漁業者団体地先組合は同町堺の森の鼻をイセエビの保護区にもしているという。

 しかし、これまでに森の鼻付近などでは、キャンプやバーベキューをしに来た人などが、もりやヤスを持ってイセエビや魚などを突いて捕るケースが相次ぎ、漁業者が頭を悩ませていた。

 地元の漁業者団体からは、キャンプやバーベキューの禁止条例の制定を求める請願書が出され、町議会は採択したが、密漁は法で罰せられること、キャンプやバーベキューを禁止すると過剰な規制になることから、町は条例化は見送った。

 町は対策として、新たに森の鼻に防犯カメラを設置。また、漁業振興協議会が環境省のマリンワーカー事業として、パトロールや啓発活動もしている。

 町議会産業建設常任委員会は、全国の状況や漁業法などを検討した上で、密漁に関する宣言に向けて、紀州日高漁協南部町支所で、漁協の地区役員に意見を聴くなどしてきた。

 3日の町議会では、同委員会の真造賢二委員長が経緯を述べた上で「この宣言が密漁抑止に実効性があり、撲滅の一助になると確信している。漁獲量が激減し、厳しい状況にある漁業者が手塩にかけて育てている魚介藻類の密漁を撲滅し、応援することは議会、町の当然の責務と考える」と説明。起立採決により全会一致で可決した。

 宣言では、町は漁業者の生活を守るために海岸の秩序を維持し、魚介藻類の密漁を撲滅すべく次の取り組みをすることを宣言するとしている。 漁業法、県漁業調整規則にのっとり厳正に対処する▽漁業者、海上保安庁、警察と綿密に連携を図り、密漁撲滅、秩序維持に努める▽防犯カメラ等により不審者を常時監視する▽密漁撲滅、秩序維持に必要なあらゆる手段を講じる。

 宣言の可決を受けて、町産業課は、宣言を書いた看板を建てることを計画していきたいとしている。