ハム玉井、倍増以上の4400万円でサイン! 新球「サロマボール」習得へ

契約更改に臨んだ日本ハム・玉井大翔【写真:石川加奈子】

今季はチーム最多の65試合に登板「準備は一番したんじゃないかと思います」

 日本ハムの玉井大翔投手が4日、札幌の球団事務所で契約更改を行い、2450万増の4400万円でサインした(金額は推定)。今季チーム最多の65試合に登板した3年目右腕は「勝ち(パターン)の方に食い込んでいけるように」と勝利の方程式入りを誓った。

 今季チームが採用したオープナー戦術により、出番が急増した。持ち場は勝ち負けに関係なく、スクランブルで行くこともあるだけに「準備は一番したんじゃないかと思います」と振り返る。ただ、その状況を超ポジティブに捉えていたことが、防御率2.61という好成績につながった。「きついというよりは、本当にチャンスだと思って。何とかものにしようと思ってやってきました」とうなずいた。

 1年目の24試合、2年目の40試合を大きく上回る登板機会を得た中で、リリーフとしての適性に磨きがかかった。12年連続50試合以上登板している宮西尚生やクローザーの秋吉亮投手の背中を見て学んだ。「以前はいつ行くか分からない中でも気持ちをつくって、しんどくなっていました。今は、直前までリラックスした状態で、行く時に気持ちをグッと入れれるような感じ」とメンタル面で大きな変化があった。

ブルペンでの準備でも変化、15球から8、9球に減らし消耗を抑える

 さらに、ブルペンでの準備も変えた。球数を15球程度から8、9球に減らして肩、肘の消耗を抑えた。「慣れですかね。でも、公文さんなんか見てると、立ち投げ5球ぐらいで行っちゃう感じなので、まだまだだなと思います」と笑った。

 今季は走者を背負った場面を切り抜けて、流れを変える役目も果たした。チーム最多登板で充実感を味わう一方で、来季以降のこともクレバーに見据えている。「今年はたまたまオープナーがありましたけど、来年、上沢(直之)やマルちゃん(マルティネス)が復帰して、イニングを投げられる先発が多くなってきたら、必要ない戦術でもあるのかなとも思うので。いつまでもこの立場にいるわけにはいかないと思っています。中継ぎをやるからには、勝ち(パターン)の方に食い込んでいけるように」と力を込めた。

 投球術でも進化を目指す。「今年1年間、シュートやカットで、インコースというところは意識付けできました。アウトコースの球をしっかり投げられれば、来年また強みになるんじゃないかなと思います」と語った。

 外角のボールの制球力を磨くと同時に、取り組んでいる新球が速いスライダー。出身地の北海道佐呂間町の名前を取って「サロマボール」と名付けた。「いい感じで投げられているので、実戦で使ってみて良かったら使ってみようかな」と話す。ホタテやカキの養殖で知られるサロマ湖は国内で3番目に大きい湖で、周囲を走る100キロウルトラマラソン開催時には鉄人ランナーが集う。チーム一のタフネス右腕は新球を引き出しに加え、来季もフル回転する。(石川加奈子 / Kanako Ishikawa)

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