GTワールドチャレンジ・アジアの2020年カレンダー発表。韓国に代わりタイで開催へ

 GTワールドチャレンジ・アジアを運営するSROモータースポーツ・グループは12月4日、2020年のカレンダー改訂版とレギュレーションの改良について発表した。7月のスパ24時間の際に行われたプレスカンファレンスでの内容から変更を受けており、韓国のヨンナムでのレースに代わって、タイのチャン・インターナショナル・サーキットでのレースが加えられている。

 GT3カー、そしてGT4カーによってアジアの強豪チームが争うGTワールドチャレンジ・アジアは、2020年から冠スポンサーのブランパンが外れ名称が変更されるとともに、カレンダーやレギュレーションでも改訂が加えられることになった。

 まずカレンダーでは、7月の段階では第4戦に韓国のヨンナムが予定されていたが、これが変更されることになった。第1戦は3月28〜29日のセパンで変わらないものの、第2戦として4月25〜26日のタイ・ブリーラムのチャン・インターナショナル・サーキットが加えられた。

 タイでのレースに続いては、例年同様日本で2レースが行われる。ただしこれまでは鈴鹿〜富士という順序での開催だったが、2020年は富士スピードウェイが東京オリンピックの会場となるため、5月23〜24日に富士で開催した後、6月20〜21日に鈴鹿で開催するという日程に変更された。

 また、その後もともとのカレンダーであれば、日本から韓国に車両を輸送する必要があったが、鈴鹿での第4ラウンドの後が9月の中国でのレースとなったため、8月に行われるインターコンチネンタルGTチャレンジの鈴鹿10時間にアジアチームが参戦する際のロジスティクスの費用が軽減されることになった。

 9月は上海で第5ラウンドが行われるが、第6ラウンドも10月に上海で行われる。これは、中国で行われてきた耐久レース『上海888』がGTワールドチャレンジ・アジアの一戦となるため。他のラウンドは1時間レースが2回ずつ行われるが、この上海888は3時間レースとなり、チャンピオンシップポイントも通常の倍となる。

 2020年はまた、GT3とGT4で参戦するアマチュアドライバー向けに、金曜に30分間の走行枠が設けられることになった。ヨーロッパやインターコンチネンタルGTチャレンジで『ブロンズテスト』として開催されている走行枠となる。さらに、GT4はこれまでブロンズ同士の組み合わせしか認められていなかったが、ブロンズとシルバーの組み合わせによるプロ-アマクラスが設けられる。

 シリーズの副ディレクターを務めるベンジャミン・フラナソビッキは「2020年のカレンダーは、3年前に生まれたGTワールドチャレンジ・アジアの最大の変革を表しているが、発展のためのさらなる一歩を踏み出すいいタイミングだと確信している」と語った。

「上海888というアジアで権威ある耐久レースのひとつをカレンダーに追加することは、アジアがGTレースを代表する地域として確立するための論理的な動きであり、クラフト・バンブーやFFFレーシング、ハブオート・コルサ、グループMレーシングなどのチームがそうであるように、チームやドライバーに大陸を超えて活躍できる機会を提供できる」

「また、オリンピックのために空いている週末が少ないにも関わらず、来季も富士がカレンダーに残ってくれることをうれしく思っている。富士はエントラントにも人気のコースであり、スポット参戦も多く常に重要なエントリーを集めている。そのためカレンダーを調整し、スーパーGTとのバッティングを避けることが最優先事項だったんだ」

GTワールドチャレンジ・アジア 2020年カレンダー

Round Date Course Nationality Distance

1 3月28〜29日 セパン・インターナショナル・サーキット マレーシア 1時間×2

2 4月25〜26日 チャン・インターナショナル・サーキット タイ 1時間×2

3 5月23〜24日 富士スピードウェイ 日本 1時間×2

4 6月20〜21日 鈴鹿サーキット 日本 1時間×2

5 9月12〜13日 上海国際サーキット 中国 1時間×2

6 10月17〜18日 上海国際サーキット(888) 中国 3時間

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