磯焼け防止啓発へ 食害魚イスズミ解剖 鴨居瀬地区藻場保全組織 美津島北部小で水産教室

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磯焼けの原因となる食害魚「イスズミ」を解剖し、胃や腸の中に入っていた海藻を確認する児童=対馬市立美津島北部小

 海の藻場が消失する磯焼けが深刻化している長崎県対馬市で、地元漁業者でつくる鴨居瀬地区藻場保全組織が2日、美津島町の市立美津島北部小で水産教室を開いた。海藻を食べ荒らすため漁業者が駆除している魚「イスズミ」の解剖などを通し、地域で取り組む磯焼け対策を児童に伝えた。

 県対馬水産業普及指導センターによると、対馬の磯焼けは1993年ごろから島の中部西岸で目立ち始めた。2017年には鴨居瀬地区がある美津島町東岸も含め、島の大部分が磯焼け状態となっている。

 イスズミはスズキ目に属し、沿岸の岩礁域に生息。大きいもので体長40~50センチとなる。海藻を大量に食べることから磯焼けを起こす主要な食害魚と考えられている。同地区の保全組織は、刺し網と素潜りを組み合わせた効果的な駆除法を開発し、本年度のながさき水産大賞で県知事賞を受けた。

 水産教室には3~6年の15人が参加。同センターの担当者や保全組織の築城茂徳代表(69)が磯焼けについて解説した。児童は6班に分かれ、体長40センチ程度のイスズミを解剖。胃腸の内容物の重さを量り、1匹だけで海藻約100グラムを食べていたことを確認した。

 児童はヒジキの苗づくりも体験。5年の齊藤巧夢君(11)は「イスズミの中に海藻が詰まっていて驚いた。今はヒジキが減っているけど、増えてたくさん食べられるようになったらいい」と感想。築城代表は「藻場を元に戻すには時間がかかるだろう。若い世代も含めた全島的な取り組みに期待したい」と話した。