巨人加入のビエイラとは? 最速167キロも制球苦しみ“炎上”する場面も…

巨人の新外国人右腕チアゴ・ビエイラ【写真:Getty Images】

ストレートが65.7%、スライダーが25.4%と2球種で三振を奪うスタイル

 巨人は3日、新外国人として前ホワイトソックスのチアゴ・ビエイラ投手との契約に合意したと発表した。最速103マイル(約167キロ)を誇り、メジャーでの新人王資格も残す26歳の投球スタイルに迫る。

 ブラジル・サンパウロ出身のビエイラは、2010年にマリナーズとマイナー契約。2013年には第3回WBCブラジル代表に選出され、予選では守護神を務め突破に貢献。本選でもキューバ戦に登板し、元巨人セペダから空振り三振を奪うなど1回を無失点に抑えた。2017年にメジャー初登板し、ブラジル出身で史上4人目のメジャーリーガーに。2017年オフにトレードでホワイトソックスに移籍していた。

 今季はメジャー6試合に登板し、1勝0敗、防御率9.00の成績。通算では23試合に登板し、2勝1敗1セーブ1ホールド、防御率7.36となっている。25回2/3を投げて24三振を奪い、奪三振率19.2%とメジャーでも平均程度の奪三振能力を持つものの、与四球率11.2%とメジャー平均8.3%より多くの四球を出している。

 マイナーでは今季3Aで39試合に登板し、47回1/3を投げて、防御率5.70の成績。10回訪れたセーブ機会を8回成功させている。一方で好不調の波の激しさも目立つ。39試合中26試合で無失点に抑えているが、7試合で複数失点。1イニング以下で4失点を喫したのが3試合あるなど、制球に苦しんで炎上することも多かった。

 米データサイト「ベースボール・サヴァン」ではメジャーでの投球データを公開している。球種割合はストレートが65.7%、スライダーが25.4%とほぼこの2球種しか投げていない。メジャー通算24奪三振中、23奪三振をこの2球種で奪っているが、そのほかにはチェンジアップ(5.9%)とシンカー(2.4%)も操る。今季はメジャーで初めてカーブを投げたが右打者の頭部付近にすっぽ抜けている。

 直球の平均球速は97.5マイル(約157キロ)、スライダーは86.7マイル(約140キロ)と緩急ではなく、球速で勝負するタイプだ。2016年のアリゾナ・フォールリーグでは103マイル(約167キロ)を記録したことでも知られている。

 メジャーでも屈指の速球を持つが、結果を残せずに海を渡る選択をした“剛腕”。同じく160キロ超えの速球で注目を集めたマーク・クルーンは177セーブと活躍した。ビエイラがどのような結果を残すのか注目が集まる。(Full-Count編集部)

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