ホークス&楽天が充実 リーグV西武は増田らが奮闘も【19年パ救援成績】

楽天・松井裕樹【写真:荒川祐史】

リーグV2の西武は守護神・増田、小川、平井が奮闘も手薄

 現代のプロ野球では先発投手の投球回数が減少し、救援投手にかかるウエートが大きくなっている。

 救援投手の出来は、ペナントレースを制する上で重要な要素となっている。シーズン50試合以上登板した救援投手を各球団別に見ていこう。パ・リーグで50試合以上登板した救援投手は25人。()はその中での防御率の順位だ。

【西武】
増田達至 65試4勝1敗 30SV 7HD 69回2/3 防1.81(3)
小川龍也 55試4勝1敗 1SV 15HD 38回1/3 防2.58(10)
平井克典 81試5勝4敗 0SV 36HD 82回1/3 防3.50(18)

 西武は増田がクローザーとして復活。セットアッパーとしては小川と平井が50試合を超えたが、これに続く投手が手薄だった。マーティンは41試合に登板し10ホールドしたが、9月の登板は1試合だけだった。平井はリーグ最多の81試合に登板。かなりの負担だった。

【ソフトバンク】
モイネロ 60試3勝1敗 4SV 34HD 59回1/3 防1.52(1)
森唯斗 54試2勝3敗 35SV 7HD 53回 防2.21(9)
嘉弥真新也 54試2勝2敗 1SV 19HD 31回 防2.61(11)
松田遼馬 51試2勝4敗 0SV 5HD 52回 防3.81(20)
甲斐野央 65試2勝5敗 8SV 26HD 58回2/3 防4.14(22)

 質量ともに充実。クローザーの森、セットアッパーのモイネロ、松田、甲斐野。ワンポイントの嘉弥真と役割分担も明確。甲斐野は最終的な防御率は悪いが、前半は圧倒的な投球内容だった。

【楽天】
松井裕樹 68試2勝8敗 38SV 12HD 69回2/3 防1.94(5)
ブセニッツ 54試4勝3敗 0SV 28HD 51回 防1.94(6)
森原康平 64試4勝2敗 0SV 29HD 64回 防1.97(7)
青山浩二 62試2勝4敗 0SV 16HD 53回1/3 防2.70(13)
ハーマン 50試5勝3敗 0SV 21HD 47回1/3 防3.04(15)

 ソフトバンクと並ぶ優秀な救援投手陣。クローザーの松井が復活し、シーズン通して活躍した。ここにブセニッツ、森原、青山、ハーマンが「勝利の方程式」で続いた。

4位以下は救援陣が不安定だった

【ロッテ】
益田直也 60試4勝5敗 27SV 12HD 58回2/3 防2.15(8)
東條大樹 58試1勝0敗 0SV 16HD 52回1/3 防3.78(19)
酒居知史 54試5勝4敗 0SV 20HD 57回2/3 防4.37(23)

 益田はクローザーとして復活したが、前年のクローザーの内は登板できず。東条、酒居とセットアッパーはいたが、内容的にも質的にも見劣りがした。

【日本ハム】
宮西尚生 55試1勝2敗 0SV 43HD 47回1/3 防1.71(2)
玉井大翔 65試2勝3敗 0SV 11HD 62回 防2.61(12)
秋吉亮 53試0勝5敗 25SV 7HD 51回2/3 防2.96(14)
石川直也 60試3勝2敗 5SV 21HD 54回1/3 防3.31(16)
公文克彦 61試2勝0敗 1SV 17HD 52回1/3 防3.96(21)
堀瑞輝 53試4勝4敗 1SV 5HD 60回1/3 防5.22(25)

 クローザーはヤクルトから移籍した秋吉が務めたが、6月に戦線離脱。8月以降成績が急落し、石川が代わった。セットアッパー陣は数は多かったが、シーズン通して安定感あるマウンドだったのは宮西だけだった。

【オリックス】
海田智行 55試1勝2敗 0SV 22HD 49回 防1.84(4)
近藤大亮 52試4勝6敗 1SV 22HD 49回2/3 防3.44(17)
増井浩俊 53試1勝4敗 18SV 14HD 50回1/3 防4.83(24)

 昨年日本ハムから移籍しクローザーとして活躍した増井の成績が下落。ディクソンが途中から代わった。セットアッパーは海田が優秀だったが、枚数が足りなかった。(広尾晃 / Koh Hiroo)

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