東彼杵郡 空中散歩 海神神社(八大竜王) 謎多き大村湾の守り神?

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 東彼川棚町三越郷の片島魚雷発射試験場跡から、西側の対岸を望むと鳥居が見える。海蝕によってできた洞窟に石像のご神体が祭られている「海神神社(八大竜王)」。その歴史の多くは、謎に包まれている。

 「大村郷村記」によると、建立の年号は不明だが、天和(1681~84年)の時代にはすでにあったという記録がある。ご神体背面には「元禄六(1693)」と刻まれている。江戸時代は同町中組郷の常在寺が管理したとされているが、詳しい資料は残っていない。合川天心住職は「明治期の神仏分離で処分させられたのかもしれない」と残念がる。

 地域にはこんな言い伝えも残る。江戸時代、筑前藩主・黒田公が大村湾を船で渡る際、酒に酔った勢いで「大村湾の景色はわずか二万七千石の大村公には不釣り合いだ」と言い放った。すると突然、大雨に見舞われ、大崎の海岸に打ち上げられた。反省した黒田公は、その場所に雨をつかさどる「八大竜王」を祭ったという。穏やかな大村の海は、謎多き神によって守られているのかもしれない。