【医師監修】「はいはい」はいつから? 気になる発達の目安と注意点   

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この記事の監修ドクター
梁 尚弘先生
りょうキッズクリニック(埼玉県所沢市)院長。平成10年順天堂大学卒業後、日本大学小児科研修医、沼津市立病院小児科、横須賀市立市民病院小児科、日本大学小児科助教、瀬戸病院小児科医長を経て現在に至る。小児科専門医。

そもそも、はいはいってどんなもの?

「はいはい」は這うことの幼児語です。ちなみに「這う」の定義は、手足を地面につけて進むこと。赤ちゃんが手足をつかって這って進んでいれば、はいはいをしていることになります。多くの赤ちゃんがひとりすわりをしてから立って歩くまでの間の移動手段として行います。

はいはいの種類

「はいはい」といえば、四つん這いの姿勢で手とひざを左右交互に前に出して進む姿を思い浮かべる人が多いと思いますが、実は、はいはいのやり方はそれだけではありません。手を伸ばしてひざで這う「四つばい」のほかに、お腹をつけたまま這う「ずりばい」、手足を伸ばしてひざをつかない「高ばい」、座ったまま這う「シャフリング」、仰向けの状態で這う「背ばい」といったやり方もあります。

一般的には、仰向けから寝返りをしてうつ伏せになり、うつ伏せの姿勢からお腹を支点に回転するようになり、それから前後に進むといった順で「はいはい」はできるようになるようです。つまり、最初は「ずりばい」をし、そこから手足でお腹があがるようになって「四つばい」になり、その後、赤ちゃんによっては「高ばい」もするようになります。こうした流れとは別に、あまり多くはありませんが「シャフリング」や「背ばい」をする子もいます。

「はいはい」はいつからはじめる?

多くは生後9~10ヶ月でできるように

では、「はいはい」はいつからはじまるのでしょうか。赤ちゃんにも個性があり、その発達は個人差が大きいもの。はいはいの開始時期も、その子によって大きく異なります。

具体的には、早い子は生後6ヶ月ごろからはいはいを始めますが、7〜8ヶ月でおよそ50%、9〜10ヶ月でおよそ90%の赤ちゃんができるようになります[*1]。

9〜10ヶ月健診では、「はいはい」をするかどうか、いつから始めたのかを聞かれることがあります。母子手帳の9〜10ヶ月ごろの保護者の記録にも、「はいはいをしたのはいつですか」という項目があります。「はいはい」をしだしたのであれば、始めた日の記録をとっておきましょう。

ただ、中には「はいはい」をとばしてつかまり立ちをする子もいます。「はいはい」をする子は多いのですが、実は「はいはい」は発達の過程で必ず通るものではありません。はじめるのが遅くても、しないままつかまり立ちになっても大丈夫。赤ちゃんの個性にあわせて成長を見守りましょう。

楽しく遊びながら、はいはいを促してみては

さきほど紹介したとおり、「はいはい」はしなくてもとくに問題ではなく、しないからといって練習をして促す必要はありません。そうはいっても、わが子がはいはいする姿を見たい!そのために何かできることはないの? と考えてしまうのが親心。そんな時は、一緒に楽しく遊びながら促してみてはいかがでしょうか。

「はいはい」をできるかどうかは運動機能の発達によるもので、その発達を働きかけによって促すことはできませんが、すでにその準備が整っている赤ちゃんであれば「あそこに行きたい」「あれがほしい」という意欲を持たせることで、ある程度はいはいを促すことはできます。おすわりができるようになったら、少し離れたところにお気に入りや新しいおもちゃなどを置くと、はいはいで取りに行こうとするかもしれません。うつ伏せの姿勢を経るので、必ず目を離さないで一緒にいられるときに試してみましょう。

はいはいをはじめたら、できるだけ広いスペースをとってはいはいを促しましょう。おむつ替えの機会を利用した追いかけっこもいいですね。オムツを脱いだときに赤ちゃんが逃げたら「待て待て〜!」と追いかけてみましょう。追いついたら「つかまえた!」と抱きしめてみて。こちょこちょして笑いを誘うのもいいでしょう。

最初はずりばいでほんの少ししか進めなかったり、ぐるぐる同じところを回ったり、後ろ向きに進んだりすることもあるでしょう。そんなときも、赤ちゃんのがんばりを力いっぱい褒めてあげましょう。遊ぶことや褒めることで、赤ちゃんの動きたい気持ちを育ててあげてくださいね。

動き回る赤ちゃんの事故に気を付けて!

赤ちゃんがはいはいを始めたら、室内の安全対策を徹底しましょう。はいはいができれば階段の昇り降りもできてしまいます。すぐにつかまり立ちもするようになり、これまで届かなかったところに突然手が届くようになるのもこの時期です。今後数年間注意が必要なことですから、この機会にしっかりとチェックしてください。

窒息・誤飲事故

おもちゃの部品やスーパーボールなど、約4cm以下のものは赤ちゃんの口に入ります[*2]。小さな子どもは飲み込んだり吐き出したりする力が弱いため、異物があやまって気管に入ってしまったり(誤嚥)、窒息する危険があります。口に入りそうな物は必ず手の届かない場所に置きましょう。誤嚥や窒息のほか、飲み込むことで中毒を起こしたり、胃や腸に詰まるまたは穴が開いてしまうものもあります。とくにタバコ、医薬品、洗剤、ボタン電池、磁石、クリップ、キャップなどは手の届かないところに置きましょう。

水まわりの事故

浴室で大人と一緒にいても、洗髪や着替えを取りに行くなどでちょっと目を離した際に溺れることがあります。浴槽だけでなくバケツ、洗面器などに溜まった少しの水でも溺れることがあるので、使わないときは水を抜き、赤ちゃんから目を離さないようにしましょう。

やけど事故

リビングやキッチンには高温になるものがたくさんあります。熱いお茶や味噌汁などをこぼしたり、電気ポットや炊飯器に触ったりしてもやけどをします。とくにキッチンには危険なものが多いので、ゲートを設けるなど赤ちゃんが入らない工夫を。暖房器具や加湿器は安全柵などで囲み、調理器具やアイロンなどは手の届かないところで使いましょう。

転落・転倒事故

大人用ベッドで添い寝をしていると、赤ちゃんがベッドから転落することがあります。2歳になるまではできるだけベビーベッドで柵を上げて寝かせましょう。椅子やソファからの転落にも注意が必要です。はいはいをしだすと、階段からの転落も心配です。階段付近には転落防止柵をつけて、ロックも忘れずにかけましょう。

家具などによる打撲

家具などに頭をぶつけるとけがをするので、角にクッションテープなどを貼りましょう。また、ドアや窓で指を挟まないよう、開閉時は注意を払いましょう。ちょうつがいに隙間防止カバーなどをつけることも対策になります。

このほか、引き出しを開けないように防止グッズを使う、電源コンセントにキャップをすることも事故防止になります。赤ちゃんの事故については消費者庁が詳しいパンフレットを作っています。ぜひダウンロードして読んでみてください。

消費者庁 子どもを事故から守る!!事故防止ハンドブック
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/child/project_002/pdf/child_project_002_190701_0001.pdf

まとめ

赤ちゃんの成長はまさに日進月歩。昨日はできなかったことが、今日になったら突然できたりするものです。そんな中でも、はいはいができるようになるのは赤ちゃんにもご家族にも大きな出来事。これまでは寝ているかおすわりで、自分で移動することがなかった赤ちゃんが、家の中でどんどん動き始めます。そんなはいはいをするのも、ほんの少しの期間。ここで紹介した安全対策を行ったうえで、思う存分はいはいをさせて今この時しかない動きを家族で一緒に楽しみましょう。

(文:佐藤華奈子/監修:梁尚弘先生)

※画像はイメージです