みなさんの健康

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■手術手技研修に向けた検体のお願い
山梨大学医学部整形外科学講座 教授 波呂浩孝

医療技術の高度化、複雑化が進んだ現在の医療において、高度な医療を安心かつ安全に提供するためには、医療者個々人の努力だけでは限界があり、地域としての研修システムの構築が急務となっています。
特に、外科手技はハイテク機器の導入によって、患者の身体への負担を軽減する治療技術が発展してきましたが、これと同時に、専門化、難度化および高度技能化が急速に進行しています。従来、日本における外科手技の教育は先輩である指導医の手術を見学し、見て学ぶという方法が中心でした。一方、海外では実際の手術に近い環境での手術手技トレーニングを行うため、ご遺体を使用させていただく手術手技研修(CST)施設が普及しており、欧米のみならずアジアでも多くの国で、既に開設されています。
現在、わが国では、16の大学にCST施設がありますが、関東では大学のみに設置されており、甲信越にはありません。今回、山梨大学は、厚生労働省の「実践的な手術手技向上研修事業」の対象となり、改修整備を行なっている基礎実習棟にCSTルームを設置することになりました。
尊いご遺体を使用させていただく手術手技トレーニングは外科系医師の技術向上、ひいては、安心・安全で高度な手術治療の普及による医療安全の推進、新たな治療法と手術手技の研究開発・医療機器の開発につながり、幅広い成果が期待できます。また、CST施設は、山梨大学の医師だけでなく、他の山梨県内の大学、医療機関に所属する医師に対しても手術手技修練の機会を提供するものであり、山梨県と近隣の地域医療向上による地域貢献も可能となります。
ここでみなさんにお願いしたいのは、CST研修に必要となる献体のことです。これまで献体は医学生の解剖学実習のためとして、ご提供いただいていましたが、更に高度先端難度手術の修練のためにも、献体をお願いしたいと思います。ご関心をお持ちいただけましたら、医学域事務部総務課までお問い合わせいただければ幸いです。どうか、医学の発展のため、ご協力をお願いいたします。

企画:一般財団法人里仁会