森と暮らす

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町の面積の約9割を占める森林。
とても身近で当たり前のような存在ですが、森林は大地、水、空気といった恵みを私たちの暮らしにもたらしてくれる欠かせない存在です。
しかし、時代の変化とともに森林と人との関わりは薄れています。
その結果、手入れが不足した森林が増え、森林の持つ役割が果たせない状況をもたらします。
私たちは、この大切な森林資源を次世代につないでいく必要があります。

■森林のもつ多面的機能
森林は、木材を生み出すほか、雨水を蓄え、洪水や渇水を緩和する機能、土砂災害を防ぐ機能、多様な動植物が暮らす場所、二酸化炭素を吸収し地球温暖化を防止する機能など様々な機能をもちます。
近年は、台風などによる災害の発生や地球温暖化などの問題もあり、森林の様々な働きに対する社会の期待は大きくなっています。

■林業を取り巻く環境の変化
東栄町の森林のうちスギ・ヒノキを主体とした人工林の面積は約8割。戦後の復興対策として全国で積極的に植林が進められ、東栄町でも人工林の割合が増加しました。しかし、生活様式の変化とともに燃料使用は薪や炭から化石燃料に変わり、建築資材は国産材よりも安価で安定的に供給できる外国産材への需要が高まり、木材価格は下落。その結果、産業として林業が成り立たず、森林所有者の林業への意欲も低下し、適切な管理がされず荒廃した森林が目立つようになっています。

■健やかな森づくりには循環がカギ
森林の様々な機能を将来にわたって発揮させるためには、森林をきちんと整備しながら木を伐って、それを暮らしの中で使うことで、「植える」「育てる」「収穫する」「上手に使う」という森の健康なサイクルを維持することが大切です。

◇地域材の活用を推進 チェンソーアートクラブ東栄
森林資源の活用による地域活性化を目指すチェンソーアートクラブ東栄では、木材に関する様々な体験を通して地域材の有効活用について考える全9回の通年プログラム「森林(もり)の暮らし塾」(「緑と水の森林ファンド」助成事業)を行っています。第3回は11月17日(日)に開かれ、参加者はチェンソーアートを作成する際に出る木っ端材を、ガーデニングなどに活用できるウッドチップに加工する体験を中心に行いました。プログラムは、途中からでも参加できます。
詳しくはチェンソーアートクラブ東栄(【電話】0536-76-1199)まで。

■森林を守るための仕事
健やかな森林を育むためには、長い年月をかけて適切な手入れをすることが必要です。枝葉を整理し、苗木を植えて、ある程度大きくなるまで草刈りや枝打ちを行って管理します。そして、太陽の光が入るように間引いて密度を調整する間伐といった作業を経て、ようやく伐採の時期を迎えた木が収穫されます。

◇東栄町森林組合で働く皆さんに話を聞きました
木を伐り倒して間伐をしたり、伐り倒した木を重機で集めたりと、大自然の現場で働く皆さん。「体力的に辛い面もありますが、とてもやりがいのある仕事です。間伐をすると光が差し込み、森林が生き生きとしてきます。」と話します。伐倒は、木の重心と倒す方向を見定めてチェンソーで切り込みを入れて倒していく作業。ただ単に伐り倒せばいいというものではなく、技術を必要とする作業です。「思い通りの方向に倒れた時は何とも言えない感動があります。日に日に自分の技術が向上していくのが見えると、手ごたえを感じます。」自然が相手なので場所ごと、季節ごとに色々な景色が見られるのもこの仕事の魅力です。
森林を次の世代につなぐため、大切なのが伐った後の植林。「木を伐ることだけが林業ではないんです。林業は数十年の周期で植林、管理していく息の長い仕事です。未来へ豊かな自然を残していく、とてもやりがいのある仕事です。」と語ってくれました。

■森林環境譲与税の財源を活用
町では、今年度から森林環境譲与税を財源とした森林環境整備を進めています。木材価格は低迷し、出荷するにはコストがかかりすぎて山を持っていてももうからなくなってしまいました。こうしたことから森林所有者の意欲低下を招き、関心が薄れています。そのため、所有者がわからない山林が増加し、森林整備が進まないという問題が起きています。また、森林整備を進めるための担い手が足りないといった課題もあります。これからも大切な資源を守るため、これらの財源も活用しながら地域が一体となって森林の整備や木材の活用、人材の育成に取り組んでいます。