秦野の新酒仕込み本格化 名曲が育てて「まろやかで甘く」

タンクのもろみを櫂棒でかき混ぜる蔵人=秦野市堀山下の金井酒造店

 秦野市内で唯一の酒蔵「金井酒造店」(同市堀山下)で、新酒の仕込み作業が本格化している。製造部部長で、杜氏(とうじ)の米山和利さん(53)は「昨年は辛口だったが、今年は水を少なめにし、まろやかで甘みのある味わいに仕上がりそうだ」と話している。

 同店は酒蔵内にモーツァルトの曲を流し、麹(こうじ)菌を育てる独自の製法で知られる。今年の仕込み作業は11月上旬に開始。タンクに酒米「五百万石」と丹沢の伏流水を入れ、長さ約4メートルの櫂(かい)棒を手にした蔵人(くらびと)がかき混ぜている。

 酒造りは来年3月末まで続き、新酒は12月20日ごろから市内の酒販店に並ぶ予定。問い合わせは同店電話0463(88)7521。

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