鷹ドラ2海野、“甲斐ステップ”で正捕手争いのライバルに 工藤監督「脅かす存在に」

新入団選手発表記者会見に臨んだソフトバンクのドラフト2位・海野隆司(前列右)【写真:福谷佑介】

海野の背番号は今季まで甲斐が背負った「62」に決定「ビックリ、嬉しい」

 ソフトバンクは5日、福岡市内のホテルで「2020年度 新入団選手発表記者会見」を行い、ドラフト1位の佐藤直樹ら支配下5選手、育成7選手の12名のルーキーをお披露目した。背番号は佐藤が「30」、ドラフト3位の津森宥紀投手が「11」などに決まった。

 計12人のルーキーたちの中で、目を引いた存在がドラフト2位の海野隆司捕手。東海大出身で身長173センチ、83キロとガッシリとした体躯を誇る。背中には背番号「62」が。育成から球界を代表する捕手にまで成長した甲斐拓也捕手が今季まで背負った番号だ。

 甲斐は来季から尊敬する野村克也氏が南海時代に背負った背番号「19」を背負う。甲斐によって捕手の“代名詞”的な印象が付いた「62」が空き番号となり、即戦力捕手と期待される海野が「62」の後継者となった。

 1年目の背番号として「62」を提示された海野は「ビックリしたのと嬉しかったのが半分ぐらいですね。着けると比べられるので……。比べられるレベルでもないので」と謙遜。甲斐の後継者となり、恐縮しきりだった。

甲斐が1.7秒から1.8秒とされるポップタイムは1.8秒から1.9秒

 ただ、発表会見で「自分も目指してきた選手。甲斐さんにはまだ敵わないので追いついていきたい」と目標に掲げる。武器はスローイング。「肩はそこまで強くない。安定した送球、塁間を強く安定して投げること」と語る持ち味は甲斐に共通する。

 二塁送球のポップタイム(捕球してから二塁にボールが到達するまでの時間)は1.8秒から1.9秒だという。甲斐が1.7秒から1.8秒前後で、それに匹敵する。実は送球動作も同じ。捕球前に左足を一歩踏み出し、送球の体制を作る“甲斐ステップ”を取り入れている。

「真似してというか、参考にさせていただいてやっています。(2017年の)DeNAとの日本シリーズを見て、凄いなと思って意識するようになりました。でも、毎回やるのは難しいです」

 ソフトバンクの捕手は正捕手の甲斐を筆頭に、ベテランの高谷裕亮が控え、栗原陵矢や九鬼隆平ら若手もいる。1軍の枠に入るのも、狭き門だが、工藤公康監督は「(甲斐に)ライバルは必要なのかなと思っています。拓也を脅かす存在になって欲しいと思います」と、競争を激化させる存在と期待していた。(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

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