障害者に学んだ無添加ハム 国際コンテストで優秀賞 グリース ハウゼ ナガセ(長崎市目覚町)代表・長瀬文吾さん 念願の障害者雇用を目指す

©株式会社長崎新聞社

「障害者に無添加ハムの魅力を教えてもらった」と話す長瀬さん=長崎市、「グリース ハウゼ ナガセ」

 長崎市内で営業する、小さな手作りハム・ソーセージ店が国際食肉コンテストで優秀賞を獲得した。店主は県外の福祉施設に勤務していたころ、障害者が作る無添加ハムのおいしさに感動。「郷土でも」と腕を磨き、開業4年で品質が認められた。これを弾みに念願の障害者雇用を目指す。

 受賞したのは、長崎市目覚町の「グリース ハウゼ ナガセ」。コンテストは、ドイツ食肉連合会が3年おきに開催する世界最大規模の国際食肉業専門見本市(IFFA)の一環。同店代表の長瀬文吾さん(37)は無添加スパイシーソーセージなど7品を出品した。8月、本場ドイツの食肉マイスターが味や香り、食感など100項目以上について減点方式で審査。うち5品が満点でそれぞれ金メダルを獲得し、優秀賞を贈られた。

 長瀬さんは大学卒業後、奈良県の障害者施設に就職。そこで利用者が作る無添加のハムやソーセージのおいしさに驚いた。同時に「彼らが自信と責任感を持って取り組める環境が長崎にもあればいいなと思った」という。

 帰郷後、福祉施設勤務を経て、「ながさき雪の浦手造りハム」(長崎県西彼長与町)で修業。「障害者が作ったからという理由では売らず、人に認めてもらえるレベルを目指す。障害者が『守られる存在』ではなく、自ら社会や地域に貢献できる場を提供したい」。その思いで2015年に夫婦で開業した。

 添加物を使わないと肉をつなぎ合わせるのが難しい。材料やスパイスの配合など試行錯誤を繰り返し、臭みを消してジューシーな食感を引き出した。妻が働きに出て家計を支え、特別支援学校教員を退職した母が店を手伝ってくれた。

 「本物」の評価を得て、次の目標は事業を拡大させ障害者を雇うことだ。まずは特別支援学校の実習を1月から予定し、施設からも積極的に受け入れていくと意気込んでいる。

 受賞記念として受賞品の詰め合わせギフトを発売。定価5400円が15日まで1割引き。同店(電095.800.3706)。