県庁跡地から江戸期の遺物が相次ぎ出土 22日、現地見学会 古い年代へ調査進展期待

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石垣の遺構について、県教委の担当者(前列右)から説明を受ける服部氏(同中央)と坂井氏(同左)=長崎市江戸町、県庁跡地

 長崎県教委は5日までに、長崎市江戸町の県庁跡地で実施している埋蔵文化財調査で、石灯籠や瓦片など江戸期の遺物、痕跡が相次いで見つかっていることを明らかにした。長崎県は同日、外部の考古学専門家による現地視察を実施。専門家は視察後の取材に「江戸時代の遺物がある程度出ている」と述べ、さらに古い年代に当たる下層への調査進展に期待感を示した。

 同跡地は16世紀の長崎開港後、キリスト教の国内拠点「岬の教会」が置かれ、江戸初期の禁教令後は長崎奉行所西役所などが所在。同跡地では県が長崎市による文化芸術ホール建設の再整備方針を示しており、長崎県教委は来年1月まで3カ月間の予定で敷地内の18カ所を試掘し、遺跡の範囲や内容の確認調査を進めている。

 長崎県教委学芸文化課によると石灯籠は4日、出島側(南側)の端付近の試掘坑から出土。柱には「奉献」、「文政九年」(1826年)などの文字が刻まれている。四角い柱、火をともす部分、その上に載る「笠」の部分が埋まっていた。江戸期の絵図では付近に稲荷神社があったとされる。また江戸町公園側(西側)では先月、江戸期の瓦片や漆喰(しっくい)片が混じった土が確認された。

 この日視察した元文化庁調査官の服部英雄くまもと文学歴史館長は、瓦片などが確認されたことを踏まえ、「かなり当時のものが残っているのではないか。寛文年間(1660年代ごろ)以前の(初期の長崎奉行所の)遺物、遺構があるのかなという大きな手掛かりが得られた」と述べた。

 視察は遺跡の調査や評価について意見を聞くため県が委嘱して実施し、今後も行う予定。この日は坂井秀弥奈良大教授も参加した。

 長崎県教委は22日午前11時~午後3時、市民向けの現地見学会を予定している。

県庁跡地で出土した石灯籠の一部。正面に「奉献」の文字が刻まれている(県教委ホームページから)