微妙な関係の「祖父母と孫」……関わり方で大切なこと

©株式会社光文社

【新連載】玉置妙憂の心に寄りそう人生相談

TBS『グッとラック!』のレギュラーコメンテーターをはじめ、数々のメディアにも紹介され大反響を呼んでいる新書『死にゆく人の心に寄りそう〜医療と宗教の間のケア〜』(光文社)の著者・玉置妙憂さんが毎週、読者の悩みに寄りそい、言葉を贈ります。

【今回の相談内容】

私の母は、医師から余命数カ月と言われていますが、ウチの子どもたちはまったく無関心。あんなに可愛がってくれていたおばあちゃんなのに……。私の育て方が間違っていたのでしょうか(45歳・会社員)

【回答】

お母さまは毎日毎日がとても大事で貴重な時期に入られたのですね。娘としてのあなたのお気持ち、お察しいたします。そのなかで、子どもさんたちが「無関心」。それは心穏やかではありませんね。

あなたが、子どもさんたちが「無関心」だと思うのはどんなご様子からなのでしょう。おばあちゃんのそばに行くこともなく、お友達と遊びに行ってしまう? あなたが胸の内を聞いてもらおうと話しかけても聞いてくれない? おばあちゃんの時間が残り少ないことを悲しんでいる様子が伝わってこない? でも、あなたが見ていないところで、おばあちゃんと孫のやりとりがあるかもしれません。「無関心」だと子どもさんたちのご様子に「不満」をもっているのは、「お母さま」ではなく「自分」なんだということにまず気づきましょう。あなたの知りえない「おばあちゃん」と「孫」のあいだの交流がきっとあるはずですよ。それはあなたの望むかたちではないかもしれない。ただそれだけです。

そしてもうひとつ。「教育10年」という言葉があります。今なにかを教えても人はすぐには納得しない。「ああ、そういうことだったのか」と腹に落ちるまでには10年かかるという意味です。とすると、あなたの育て方が間違っていたのではなく、今まさに、育てているのではないでしょうか。あなたが、お母さまとの最期の時間をどのように過ごされるのか、その一挙手一投足を子どもさんたちは見ていないようでちゃんと見ています。そして、そこから、さまざまなことを学んでいるはずです。ただ、それが彼らの腹に落ちるのは10年後。大丈夫。あなたの背中を見ていれば「おばあちゃん、いい人生だった。母さん、よくやっていたな」と、きっと心優しい立派な大人に育っていかれると思います。

【プロフィール】

玉置妙憂(たまおきみょうゆう)

看護師・看護教員・ケアマネ−ジャー・僧侶。「一般社団法人大慈学苑」代表。著書『死にゆく人の心に寄りそう』(光文社新書)は8万部突破のベストセラー。NHK『クローズアップ現代+』、『あさイチ』に出演して大きな話題に。現在、TBS『グッとラック!』火曜のコメンテーターを務める。