二宮町議会、観光案内所移転認めず 予算修正案可決

二宮町観光協会と観光案内所が移転する予定だったJR二宮駅前の空き地

 二宮町議会は6日、町観光協会事務所と観光案内所をJR二宮駅前に移転するための事業費を削減した、2019年度一般会計補正予算の修正案を賛成多数で可決した。町側は観光客の利便性向上のために移転する方針を示したが、財政が逼迫(ひっぱく)する中で総事業費が3千万円かかることなどに議会側が反発し、認めなかった。

 町は同日開会した町議会第4回定例会に、移転のための設計委託費200万円を計上した19年度一般会計補正予算案を提出。本会議で、総事業費が約3千万円、年間賃料などが約100万円に上ることを明らかにした。これに対し、一部の議員が修正案を提出、賛成8、反対5で可決した。案内所の年間利用者数を把握していない町の姿勢にも、批判が相次いだ。

 協会事務所と案内所は長らく駅北口の町民会館内にあったが、会館の解体に伴い18年に移転。駅から離れた町民センター内の一室を間借りしていた。町は再び町の玄関口に戻すため、駅北口の階段下に空いた約100平方メートルのスペースをJR東日本から借り、20年度の移転を目指していた。

 町民会館跡地の町有地は、来年3月から有料駐車場として稼働する。修正案を提出した前田憲一郎氏(無所属)は「駅前に町有地があるのに、3千万円も投じる必要があるのか。町民会館跡地への移転を検討すべき」と主張した。

 6月に続き、一般会計補正予算案が否決された村田邦子町長は「説明が足りなかった。今後の対応について町観光協会と協議したい」とした。

 修正案を除く一般会計補正予算案は原案通り、可決された。

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