二葉山トンネル問題、責任問う声 広島市議会、市長「指導を徹底する」

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広島高速5号二葉山トンネルの増額問題で、広島市議会本会議で議員(手前)の質問を聞く市の幹部たち

 広島市議会は6日、一般質問を始めた。広島高速道路公社(東区)による不適切な価格交渉で事業費が増額した広島高速5号二葉山トンネル(同)について、松井一実市長は「市民の不信や不満を招く事態となり残念でならない。着実に事業を進めるため、再発防止へ指導を徹底する」と強調。議員からは、公社設置者の県市の責任を問うたり、公社の体制を疑問視したりする声が相次いだ。

 母谷龍典氏(自民党市民クラブ、佐伯区)は「契約を軽視し、あまりにお粗末」と指摘。受け止めを問われた松井市長は「相手の意図を軽視したまま契約を結ぶことが、いかに社会的混乱を生じさせるかを痛感した。思い込みで入札手続きを進めるような事案が二度と生じないよう公社はしっかりと考えてほしい」と述べた。

 契約手続きを県と市がリアルタイムで把握できないのかとの問いには、加藤浩明道路交通局長が「入札契約の過程は、公平性や公正性の観点から非公開。設立団体であっても契約手続きが終わるまで知ることはできない」と説明。独立した組織にチェックが行き届かない現状をにじませた。

 桑田恭子氏(市政改革ネットワーク、佐伯区)が開会日の提案理由の説明に触れ「市長が5号に一切触れなかった」と指摘。市の姿勢や責任の有無をただした。加藤局長は「市民の不信不満を招いたことについては、契約当事者の公社とJV(共同企業体)で処理するべきだ」と述べるにとどめた。

 公社の体制への注文もあった。渡辺好造氏(公明党、南区)は「新しい理事長は外部から招くなど、けじめをつけて今後につなげる必要がある」と提案。加藤局長は「公社の設立や運営には国、県、市の責任がある。役員人事も含め引き続き県と指導を徹底する」とした。(加納亜弥)

 <クリック>広島高速5号の事業費増額問題 広島市東区のJR広島駅北口と広島高速1号温品ジャンクションを結ぶ広島高速5号のうち、二葉山トンネル(1.8キロ)の工事契約で発覚。広島高速道路公社が、工事を受注した共同企業体(JV)と2016年、トンネルに不可欠な工事を意図的に除いて約200億円で契約。契約後の増額を想定したJVとの間で認識がずれていたとして、今年11月に工事費を287億2千万円に増額することでJVと合意した。