楽天コーチ就任の館山が明かす 新背番号「92」に込めた思いと松坂世代の絆

「BLF チャリティートーク2019」に出演した楽天・館山コーチ(右)と則本昂大【写真・編集部】

「ベースボール・レジェンド・ファウンデーション」トークショーに出席

 今年限りで現役生活にピリオドを打ち、楽天の2軍投手コーチに就任した館山昌平氏。ヤクルトで17年プレーし、秋季キャンプから楽天のユニホーム、背番号「92」をつけて、指導者生活をスタートした。現役時代に9度の手術、先発でもリリーフでもマウンドに立ち、培った17年の経験は、若手の手本となるだろう。先日、契約更改の席で血行障害に悩んだ熊原健人投手が同じ経験をした館山コーチと久保裕也投手からの助言を受けたと明かしていた。

 そんな館山コーチが先日、都内で行われたプロ野球選手、球団の慈善活動をサポートするBFL(ベースボール・レジェンド・ファウンデーション)のチャリティーイベント「BLF チャリティートーク2019」に出演した。トークセッションのコーナーでは、楽天の則本昂大投手とともに軽快に、そして濃厚なトークを展開した。

 背番号92にはちょっとした“思い”が込められていた。いくつか提示された中で選んだその番号は「僕は久保裕也くんからすごく影響を受けていまして……彼が『91』を付けている」と現役で投げ続ける同級生の名を挙げ、「2軍の打撃コーチの後藤武敏くんが『93』」と高校、大学とライバル校でしのぎを削った仲間の名も挙げ「90番台の連番にしてみました。いかがでしょうか」とファンに明かすと、大きな拍手が沸いた。

 館山は1980年生まれの松坂世代。日大藤沢高校では松坂大輔(西武)、後藤らのいた横浜高とともに3年春はセンバツに出場。日大進学後は村田修一(現巨人2軍コーチ)とプレー。ヤクルト入団後も、同級生の存在を力に変えて、プレーをしてきた。そんな支えが今も残り、新天地でも絆となって、“繋がっている”番号を選んだ、ということだ。

 まだ慣れない背番号だが「自分の番号になっていけるように、チームの力になれるように頑張ります」と話すと、いきなり立ち上がり、隣にいたエース・則本に頭を下げるという“パフォーマンス”に今度は会場から笑いが起きた。会場にはヤクルトファンの姿もあり、古巣への愛情とファンへの感謝も気持ちを込めて、伝えていた。2人だけでなく、たくさんの心温まる話に2時間の“宴”はあっという間に過ぎていった。(楢崎豊 / Yutaka Narasaki)

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