「スカーレット」松下洸平が念願の朝ドラ出演で「親孝行できました」

戸田恵梨香主演のNHK連続テレビ小説「スカーレット」(月~土曜午前8:00=NHK大阪放送局制作)に十代田八郎役で出演している松下洸平。「実家に帰るたびに、母から『“朝ドラ”に出ないの?』と言われていたんです。実は何度も“朝ドラ”のオーディションを受け続けてきて、箸にも棒にもかからない日々を数年間経験していました。ですので“朝ドラ”出演の報告をした時の母の喜びを見た時は、本当にいい親孝行をしたなと思いました」と念願の“朝ドラ”出演への喜びを語った。

ドラマは、滋賀県の焼き物の名産地・信楽を舞台に、戦後の高度経済成長期に男性ばかりの陶芸の世界で、女流陶芸家の草分けとして歩み始める川原喜美子の姿を描くストーリー。松下は、喜美子が陶芸の会社に勤めるようになったのちに知り合う若い陶工・十代田八郎役。京都で陶芸を学んで信楽にやってきた八郎は、真面目だが、どこか謎めいたところのある青年で、喜美子の陶芸と人生に大きな影響を与えることになる役どころだ。

撮影初日は普段以上に緊張したという松下は、「信楽ロケの初日は『いま自分は“朝ドラ”に出ている!』と思うと、いつもの倍ほど緊張してしまって…記憶があんまりないんですよね(笑)。スタジオ収録の初日も、“朝ドラ”特有のセットは、そこに自分が実際にいるように錯覚してしまうとてもリアルなセットなので、またもや緊張してしまいました」と振り返り、現在は「キャストの皆さんも、スタッフの皆さんも、本当に優しい方ばかりなので、今はものすごく楽しく撮影をさせていただいています」と徐々に撮影にも慣れてきた様子。

演じる八郎については「戦争などで身内との別れをたくさん経験しながら育ち、いろいろな人の人生を見てきたからこそ、どう生きるべきなのか、人一倍よく考える、とてもたくましい青年だと思っています。子どものころも、決して目立つ存在ではなかったと思うし、根っから明るい性格ではなかったかもしれませんが、ものすごく真っすぐで真面目で、何事に対しても一生懸命、誠意を持って取り組める青年です。誰よりも人に対する愛情の深さがある人だと思います」と分析。さらに喜美子との関係を「八郎は、いろいろなことに共感してくれる喜美子にすごくひかれます。彼女は絵付けをやっていて、僕は陶芸家を目指し陶工として働いていて、職種は違うのですが、八郎の考えにすごく共感してくれる人」と話し、「喜美子の八郎に対する第一印象は、『ちょっと理解しにくい』という設定ですが、謎が多くて何を考えているか分からない人物というイメージにはならないようにしたいと思っています」と演技プランを明かした。

そして喜美子を演じる戸田については「こんなに頭のいい女優さんはいない、本当にかなわないなと思います。お芝居をちゃんと理論立てて、物事を整理する力があるのですが、最終的には感情を軸として動くことのできる人です」と絶賛。さらに「僕はずっと舞台をやってきて、1カ月間を通して戯曲を読みとっていくという脳なんですが、戸田さんはこの瞬間どうするのかという前後のことも考えながら動ける方だと思うんです。さらに僕はどちらかといえば気持ちで進むタイプなんですが、戸田さんは冷静に理論立てて物事を進められる方。そんな自分にないものを常に戸田さんに補ってもらいながら演じています。でもたまに戸田さんがうまくいかない時、僕が動きを変えてみたりすると、またそれに対して感情を伴った動きを返してくれたりもして。そうやっていいコミュニケーションをとりつつ演じられるのは、やりやすくてありがたいです」とそれぞれの演技のタイプの違いを語り、感謝の言葉を述べた。

また劇中では吹き替えなしで作陶を披露しているが、「陶芸は、高校時代に少しだけ体験したことがありますが、ここまで本格的にやったことはないので、4月ごろから徐々に撮影と並行して稽古をやらせていただいています。ものすごく楽しいですね! ただ実際やってみてよく分かったのは、すごい力仕事なんだと分かりました。特に陶芸家と違って陶工は商業ベースで1日100個単位のお皿を作らなければいけない。それで生計を立てているわけですから。本当にパワーがいる作業だと思いました」とその大変さを告白。しかし、それも楽しいそうで「楽しいと思えるのは、僕自身がものを作るのが好きだからだと思います。ゼロから何かを作り出して人に届けるという、この一連の作業をすべて自分一人で作っていくところに、演劇やドラマの仕事とはまた違った魅力を感じます。だから、難しいけれど、すごく楽しいです。気づいたら4、5時間何も食べずに陶芸の稽古をしています」と、ものづくりの面白さを語った。

そして「僕が出演する、しないにかかわらず『なんて面白い本(台本)なんだろう!』と家で一人で笑い転げながら読みました。関西特有のテンポや、ボケ&ツッコミの応酬みたいなものが本当に楽しい! 朝から笑っていただけるシーンがいっぱいあると思います。たくさん笑って、たくさん泣いて、皆さまの朝を彩れるような作品にしたいと思っておりますので、ぜひ『スカーレット』をよろしくお願いします」と笑顔で作品をアピールした。

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