社説[照明弾民間地落下]調査に日本側を加えよ

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 民間地に米軍の照明弾が落下し、一歩間違えれば住民を巻き込む大惨事になりかねないところだった。

 5日午後、金武町伊芸区の田んぼで米軍の照明弾が見つかったのに続き、6日午前、近くで新たに2個の照明弾が発見された。米軍は3個とも訓練中に使用した照明弾であることを認め、照明弾の使用を一時的に中断していると説明した。だが照明弾が伊芸区に落下した訓練内容や経緯は明らかにしていない。

 キャンプ・ハンセンからは6日も射撃音が聞こえており、射撃訓練を続行しているとみられる。原因が明らかでない中、である。米軍は照明弾の一時中断だけでなく射撃訓練を中止すべきだ。

 照明弾は長さ約9センチ、直径約5.5センチの円筒状でパラシュートが付いている。高温に達し、人体に触れると危険だ。火事の原因にもなる。

 田んぼは稲刈り作業を終わったばかりで、持ち主は幸い農作業をしていなかった。

 住宅地とはわずか約50メートルしか離れていない。照明弾はキャンプ・ハンセンから沖縄自動車道を飛び越えて民間地に落下している。

 新たに発見された2個のうちの1個は牛舎近くの木に引っかかり、別の1個は川沿いの道路上にあった。住宅地や沖縄自動車道を走行する車両、通行人を直撃していたらと考えるとぞっとする。

 米軍は「原因を調査中」と言っている。だが米軍の一方的な調査にどれだけ信用が置けるだろうか。

 民間地の落下事故である。県警も速やかに立ち入り調査を申請して捜査に乗り出すべきだ。

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 ふに落ちないのは地元住民が照明弾が落下する様子を目撃したのは5日午後3時55分ごろであることだ。

 照明弾は夜間の射撃訓練で使用することと矛盾するからである。照明弾がパラシュートで降下し、標的を照らす間に機関砲や迫撃砲で標的を撃つ。暗い時間帯でもないのになぜ、照明弾を発射したのだろうか。

 キャンプ・ハンセンの実弾射撃訓練場では通常、西側の標的に向かって撃ち、東側の伊芸区に照明弾が落下するのは考えられないと専門家はいう。何らかの不手際があったのではないかとみる。

 別の専門家は照明弾そのものの性能を確認するために打ち上げた可能性を指摘する。

 住民の生命と財産に関わることである。日本政府も米軍に厳しく問いただすべきだ。

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 伊芸区では復帰前の1966年2月に夜間演習で打ち上げられた照明弾の弾頭10発余りが火を噴きながら住宅地や道路に落下、住民150人余りが公民館に避難したことがある。復帰後も照明弾による被害は続いている。

 沖縄の米軍演習場の根本的問題は民間地に隣接し、住民が危険と隣り合わせの生活を強いられていることだ。狭い沖縄はそもそも演習場に適していないのである。

 沖縄ではどこであっても空から何が落ちてくるかわからない。日本政府は住民の恐怖を取り除くために米軍に毅然(きぜん)と対応してもらいたい。