町あかりの「テレビの仕事人に会いたい!」 <第7回 倉田有規さん(番組観客者・参加者誘導)>

町あかりの「テレビの仕事人に会いたい!」

<第7回 倉田有規さん(番組観客者・参加者誘導)>

シンガー・ソングライターの町あかりが、テレビの裏側を支える「テレビの仕事人」から、あんな話やこんな話を聞いちゃう連載企画! 今回はロケーションマネジャーの森川暢哉さんからのご紹介で、テレビ番組の観覧者、参加者等の案内や誘導をされている倉田有規さんにお話を伺いました。

<お客さんに拍手やリアクションのコツを説明! 手品まで!?>

── 倉田さんのご職業は「テレビ番組の観覧者・参加者等の案内や誘導」ということですが、お仕事の内容を教えてください!

「スタジオの中に観覧の方々を入れて収録しているテレビ番組ってありますよね。例えば僕が担当している『アメトーーク!』(テレビ朝日系)では番組ホームページで観覧募集をしています。そこで応募してきた方にメールや電話でご連絡します」

「あとは、番組収録が始まる前に“前説”といって、芸人さんが観客の方々の前で雰囲気を盛り上げるのですが、さらにその前に“前々説”として、僕がお客さんの前に出て、拍手や歓声、笑い方について身振り手振りを加えて、更に番組に厚みが出るように説明します。例えば『拍手は、両手を少しずらして、細かく強くたたくと良い音が出ますよ』とか、リアクションについても『ワントーン高い声で、“へえー!”と語尾を上げると伝わりやすいですよ!』とアドバイスします。あと、場を盛り上げるために手品をしたこともありますよ」

──“前々説”というものの存在を初めて知りました! 拍手や歓声にもテレビ収録に合わせたコツがあるんですね。それを倉田さんが前に出てやっているとは…!

「皆さんもきっと思い浮かぶと思うのですが、お客さんを入れて収録する番組って結構たくさんあるんですよ。僕が今担当しているだけでも15番組ぐらいあります」

── そんなにたくさん担当されているんですか!? 確かに、普段観ている番組の中にもスタジオに観覧の方々が入っている番組、たくさんありますよね。

「僕が印象的だったのは、『ロンドンハーツ』(テレビ朝日系)のドッキリで、初めて狩野英孝さんが扮するアーティスト・50TAのコンサートをやった時ですね。この時だけは狩野さんを信じさせるために、会場には番組参加者を1000人入れたのですが、僕が前説をやったところ異常に盛り上がって(笑)。予想以上に参加者の皆さんが喜んでくれて、うれしかったです」

<きっかけは「ロンブーさんが大好き!」>

── 倉田さんがこのお仕事に就かれたきっかけは何ですか?

「小さい頃からテレビが大好きで。姉の影響もあって、特にロンドンブーツ1号2号さんの大ファンなんです。『ロンドンハーツ』は初回から欠かさず見ているほどです! そんなこともあり、やはりテレビ業界で仕事がしたいという思いが強くなりました。そこで求人サイトで最初に出てきたのが、今の会社(株式会社アーキテクト クラップ&ウォーク事業部)だったんです。しかも『ロンドンハーツに携われないかな?』と思っていたところ、たまたま担当することができたんですよ」

── えー!! そんな偶然があるとは…! だけどこの連載企画では似たような話をよく聞きます。今回も驚き! 担当が15番組もあるということで、かなりハードでお忙しいのでは?と思ったのですが、このお仕事をされる上でのモチベーションって何ですか?

「『ロンドンハーツ』『アメトーーク!』のプロデュースをされている加地倫三さんの仕事を間近で見ていると『やっぱりすごいな!』と。加地さんは誰にでも優しくて…。どのスタッフにも気を配りながら、声をかけているんですよ。最近僕、番組スタッフの方とサッカーをやって肉離れになってしまい、しばらく松葉杖をついていたんです。その時も加地さんが『やっと松葉杖とれたね』とか『サンダルじゃなくなったんだね』とか、会うたびにそんな細かいところにも気付いてくれて…」

「この仕事を続けているモチベーションは、とにかく『テレビ番組が大好き』ということ。そして番組への愛情が深いスタッフの方と一緒にお仕事できることですね」

<とにかく担当番組を好きになることが大事>

── テレビスタッフだけではなく、テレビ番組の観覧や参加される方々など、いろんな方と関わるお仕事であることが分かりましたが、ご自身のどういったところがこのお仕事に向いていると思われますか?

「もともと、『人』が好きなんです。一緒に仕事をするのも、遊ぶのも好きなんです。基本的に人を嫌いにならないんですよね。苦手だったら絡まなければいい。嫌いになっても得することないですから、そうなる前に距離をとるようにしています。でもクセの強い人と関わるのも好きで、楽しいと思っちゃうタイプなんですけど(笑)」

── 「人を嫌いになっても得することない」…、その通りですが、なかなか実行するのは難しい! やはり倉田さんだからこそできるお仕事なのだと思います。最後に、このお仕事をする上での倉田さんのルールやこだわりは何でしょうか?

「放送されたものをとにかくたくさん見て、『こういうところでお客さんのリアクションが欲しいのかな?』と考えています。担当番組も、そうでないものも合わせて1日7~8時間くらい録画してあるんです。帰ってから見たり、休日にまとめて見たりしています。僕の中でのこだわりは、とにかくたくさん見て『担当している番組を好きになる』ことですね」

この連載では、過去にもそういう奇跡的なきっかけで好きなタレントさんの番組に携わっている方のお話を聞かせていただいてきました。「好き」という気持ちがその人を導いていく話って、聞いていて勇気が出ます! 終始、倉田さんの「テレビ愛」が感じられる取材でした。この度は貴重なお話をありがとうございました!

前述のとおり、倉田さんは「ロンドンハーツ」「アメトーーク!」をはじめ、たくさんの番組に携わっているそうですよ。スタジオのお客さんにも注目して見ると面白いかも!? ぜひご覧くださいね。

さて、読者の皆様から「テレビ番組のこんなことが知りたい」「こういう職業の人の話を聞いてみたい」というリクエストや、ご感想も大募集しています。次回もどうぞお楽しみに!

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machi-honoji@tokyonews.co.jp

町あかり


シンガー・ソングライター。作詞・作曲、編曲、イラスト、衣装制作まで自身で行う。2017年ビクターエンタテインメントからメジャー3rdアルバム「EXPO町あかり」をリリース。現在、絵本&CD「あかりおねえさんのニコニコ♡へんなうた」が発売中。他の歌手への楽曲提供も行う。文鳥を溺愛中。

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