「平成アニソン大賞大ヒット記念~年忘れトークSP~」が@ロフトプラスワンで開催 令和元年アニソン大賞は「紅蓮華」

「平成を彩ったアニソンを讃えたい」という想いから行われた祭典『平成アニソン大賞』。その企画から生まれた「平成アニソン大賞 mixed by DJ和」の55,555枚突破記念として、スペシャルトークイベント「平成アニソン大賞大ヒット記念~年忘れトークSP~」がロフトプラスワンにて6日開催された。

今年3月1日に配信され、Yahoo!トレンド1位を獲得する大きな話題となった「平成アニソン大賞」ノミネート楽曲発表会以来のイベントとなった今回は、冨田明宏(音楽プロデューサー/アニソン評論家)、吉田尚記(ニッポン放送アナウンサー)、齋藤P(アニメロサマーライブ ゼネラルプロデューサー)、DJ和(J-POP/アニソン DJ)、前田 久(アニメライター)、松原正泰(アニメイト)(順不同)の6人が再集結。

お酒を片手に忘年会スタイルで、「平成アニソン大賞」の裏話や制作秘話、そしてどこよりも早く令和元年を総括し、「令和元年アニソン大賞」を”勝手に”発表するというアニソンファン垂涎の内容に。

この日MCを務める冨田明宏氏が定刻通りに登壇し、選考員を呼び込むと、既に宴会ムードの客席からは温かい拍手が巻き起こった。発起人であるDJ和から、まずは乾杯の挨拶に。自身の「平成アニソン大賞 mixed by DJ和」ロングヒットへの謝辞を交えて、「令和も楽しみながらアニソンを盛り上げていきましょう!」と高らかに呼びかけ、一夜限りのアニソン大忘年会がスタートとなった。

冒頭には、日本を代表するアニメーター・田中将賀先生により新たに描き下ろされた「平成アニソン大賞 mixed by DJ和」のアナザージャケットが発表。デザイン/構図案をユーザーからの一般公募で募集した本企画。多数の応募の中から厳正なる審査の末、大阪府のおたけんさんによる作品がグランプリとなった。

当初の本家CDジャケットを飾る小渕恵三官房長官(当時)をオマージュした赤い眼鏡の少女が、令和を生きる未来の自分と街頭ですれ違うというファンタジックなイラストに。田中先生によるラフ画が映し出されると、選考員からも感嘆の声が上がった。こちらのアナザージャケットは、2020年2月頃に完全数量限定で全国のCDショップにて発売となる。

ここからは「平成アニソン大賞」にまつわるクローズドイベントならではの裏話合戦に突入。改めて各年代ごとにノミネート楽曲や、惜しくも受賞を逃した名曲について、選考員から熱い本音トークが飛び交った。

大賞に選出されたTVアニメ「新世紀エヴァンゲリオン」OPテーマ・『残酷な天使のテーゼ』、そしてTVアニメ「円盤皇女ワるきゅーレ」劇中歌・『Agapē』については、曲者ぞろいの選考員一同が「この曲を選べたことで、“平成アニソン大賞”という企画が成立し得た」と声を揃える一面も。

するとここで、アニサマゼネラルプロデューサーである齋藤P氏から提供された、アニメロサマーライブ2015出演時のメロキュア『Agapē』の映像がスクリーンに。

アニソンファンの間では伝説となっている、メロキュアにとって初の、そして恐らく最後のアニサマでのライブパフォーマンス。

「平成アニソン大賞」という企画で改めてフューチャーされた歴史に残る楽曲に対し、会場はこの日一番の拍手に包まれた。

熱気は冷めやらぬ中、年忘れトークはいよいよ後半戦に突入。

この日一番の激論を見せた、「令和元年アニソン大賞」が発表となった。今回のイベント開催にあたって、公式サイトで一般リスナーから募集していた「令和元年アニソン大賞」は、2位以下に圧倒的な得票差を見せつけ、『紅蓮華』LiSAが首位に。(2位:『憧憬と屍の道』Linked Horizon、3位:『お願いマッスル』紗倉ひびき(CV:ファイルーズあい)&街雄鳴造(CV:石川界人)) 続いて発表された各選考員による「俺の令和元年アニソン大賞」でも、6名中4名が一般投票と同じく『紅蓮華』を選出。冨田氏は、「LiSAというアーティストが、現在のアニメシーンを背負っている姿勢に、応援せずにはいられない」と熱い胸の内を語った。

『輪!Moon!dass!cry!』田中望(赤崎千夏)/菊池茜(戸松遥)鷺宮しおり(豊崎愛生)を選んだ前田氏、『はじめてのかくめい!」』DIALOGUE+を選んだ吉田氏との熱い討論の末、見事、『紅蓮華』が「令和元年アニソン大賞」に決定となった。

ここで突如、「LiSAの大賞はもちろん、我々が決めるべきは”泣きの曲”でしょう!」という投げかけが俎上に載せられると、齋藤P氏から、これまで議論に挙がらなかった『エイミー』茅原実里という提案が。

「我々の“アニソン大賞”という選考は、正しくアニメファンの無意識を捕まえているかどうか。今年、『エイミー』に何も感じないアニメファンはいない」という吉田氏による大きな賛同を経て、【特別賞】が満場一致で急遽設けられる形となった。受賞されたLiSAと茅原実里には後日、”勝手に”表彰状が送られるとのこと。

まだまだ語り足りない空気に後ろ髪を引かれつつも、会場の営業時間の都合で終演の時間に。選考員一同が「また来年もこうして集まりたいですね!」という言葉を残し、平成、そして令和を跨いでアニソンを愛した6人と観客による、熱い一夜が締めくくられた。

新たな歴史に突入したアニソンカルチャーを語る貴重なトークイベント。2020年末・「令和2年アニソン大賞発表」の開催を期待しつつ、令和のアニソン史を彩る名曲の登場を楽しみにしたい。

★令和元年アニソン大賞★

【大賞】

紅蓮華 / LiSA <TVアニメ「鬼滅の刃」オープニングテーマ>

【特別賞】

エイミー / 茅原実里 <映画『ヴァイオレット・エヴァーガーデン 外伝 -永遠と自動手記人形-』主題歌>

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