(特集)ランニングを楽しむ -1-

©株式会社VOTE FOR

人との距離の近さがマラソンの魅力

尾池望さんは、実業団の女子駅伝の選手として活躍した後、現在は市内を中心に、小学生から高齢者までの幅広い層に走る楽しさを伝えています。マラソンの魅力は、人との距離を縮められることだと言う尾池さんに、その楽しみ方を聞きました。

■年齢問わず挑戦できる競技
◇フリーのコーチとしてどんな活動をされているのですか。
桜区にある浦和レッズのスポーツクラブ「レッズランド」でランニングスクールのヘッドコーチをしています。指導するのは小学生から、最高齢は77歳まで。市内の公民館で、高齢者向けのストレッチやウォーキングの教室の講師をすることもあります。ランニングスクールでは、「走るときは明るく前向きにね」とアドバイスします。マラソンはメンタルのスポーツですから、プラス思考でいてもらいたい。続けるには、楽しく、無理をしないことが大切です。
「さいたま国際マラソンに出たい」と言ってランニングスクールに通い始める方が多くいます。「沿道で応援をしていたら、走っている人が皆楽しそうで、何が楽しいのか気になったから挑戦したいんだ」と言うんです。「自分でも走れるかな」と自信がなさそうに来たのに、のめり込んで長続きする人が多いですよ。60代や70代で初めてフルマラソンを走って完走する方もいます。マラソンは年齢に関係なく始められる競技なんですよ。

■きついを越えた先の快感
◇マラソンはきつい印象があるのですが…。
フルマラソンを走っていると「なんでお金を払ってこんなきついことをしているんだろう」って私でも思うんです(笑)。そんなとき、私は沿道で応援している人とハイタッチしたり、声援に「ありがとう!」と答えたりしながら走ります。声援を楽しむんです。なかなか日常生活で、何千人、何万人から「頑張れ」って言われることはないですから、快感ですね。
走っているとランナーの集団ができて、励まし合いながら走るんです。遅れそうになると「もう少し頑張りましょう。ここを乗り越えると楽になりますよ」とか、励ましてもらえます。さいたま国際マラソンのランナーには、温かい方が多いですね。まずは挑戦しやすい8キロの部から始めて、2、3年かけてフルマラソンに出てもらえればいいなと思います。ゴール時に感動しますよ。
コース上には給水所だけでなく、「エイドステーション」という給食所があります。フルマラソンで何時間も走るとおなかが空(す)くので、バナナといった定番に加えて、県内の銘菓や一口サイズのうなぎの蒲焼きなどのさいたま名物まで食べられます。これを楽しみに出る人もいます。

■ランナーとの交流が醍醐(だいご)味
◇この大会ならではの楽しみ方があるんですね。
ええ。都心部の大会ですから、自宅からも比較的近いので参加も応援もしやすいです。私は平成29年から沿道で応援する側に回っています。仮装している人には必ず声を掛けますよ。例えば、ゲームキャラクターのスーパーマリオの格好をしている人に「マリオ!」と言ったら、笑顔で答えてくれます。
ランナーは声を掛ければ答えてくれるし、手を出せばハイタッチしてくれます。そういう交流が楽しい。ほかの競技で、ここまで近くで応援できるものはないですし。その楽しさをぜひ味わってほしいですね。

≪PROFILE≫
尾池望さん(39)
ランニングコーチ。高校卒業後、NEC、ホクレンの陸上部に所属し、全日本実業団対抗女子駅伝に9年連続で出場。平成20年、レッズランド(桜区下大久保)のランニングスクールのヘッドコーチに就任。さいたま国際マラソンの前身であるさいたまシティマラソンで4回優勝し、平成28年の第2回さいたま国際マラソンの8kmの部で優勝した。

■国際マラソンがあるまちさいたま
さいたま市では、長年市民ハーフマラソンとして「さいたまシティマラソン」を開催していましたが、平成27年から規模を拡大し、国際女子マラソンと市民フルマラソンを同時に開催しています。それが「さいたま国際マラソン」です。
大会のキャッチフレーズは「ここから、世界へ。」。オリンピックや世界選手権の代表選考レースを兼ねるこの大会は、市民ランナーにとっても「自己ベストを更新する」、「完走を目指す」など、新しい世界に挑戦する場となっています。平成30年からは「女子ビギナーの部」を設け、フルマラソン完走を目指す女性ランナーをサポートしています。
平成27年に行った市民意識調査では、87.8%の方が「運動不足を感じている」と答えました。手軽に始められるランニングから始めてみてはいかがでしょうか。
次のページからは、「さいたま国際マラソン」の見どころのほか、尾池さんがおすすめするランニングコースなど、マラソンやランニングを身近に楽しむ方法を紹介します。