MLBがオピオイド検査導入に罰則なく更生プログラム導入へ 米メディア「合意する直前」

7月に急逝したエンゼルスのタイラー・スカッグス【写真:Getty Images】

罰則を与えず更生させる「トリートメントプログラム」

 エンゼルスのタイラー・スカッグス投手が7月1日(日本時間2日)に医療用麻薬オピオイド系薬物やアルコールなどの摂取後に嘔吐物で窒息死したことを受け、MLB機構と選手会がオピオイドの検査を行うか議論を行っている。米メディアは罰則を与えず更生させる「トリートメントプログラム」を作る方針であることを伝えている。

 10月にスカッグスの死因が判明しMLBと選手会はこれまでにオピオイドの検査について話し合いを行ってきた。様々な意見が飛び交う中、ここにきて米メディア「NBCスポーツ」はオピオイドを使用する選手に罰則を与えるのではなく「彼らのためにトリートメントプログラムを作る話し合いをしている」と、更生プログラムの着手に取り掛かっていることをレポート。

 記事では薬物検査を行えば選手たちが出場停止などの罰則を受けることを危惧し、助けを求めず隠すことになる可能性があったことを言及。だが、4日(日本時間5日)に選手会のトニー・クラーク専務理事は「そのような心配をしなくて良いような決定に合意する直前まで来ている」と“解決案”が出たことを明かしている。

 クラーク専務理事によると現行のドラッグアグリーメントが変更することができれば、薬物検査で陽性反応が出た選手たちは出場停止処分を受けずに「トリートメントプログラム」に入ることができるという。

 シーズン中に起こったスカッグス投手の急死は米球界を飛び越え世界に衝撃を与えた。二度とこのような悲劇が起こらないためにも改革が進められている。(Full-Count編集部)

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