首里城火災で100度近い収蔵庫 お宝漆器に大ダメージ 技術者少なく修復に高い壁

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「白澤之図」(手前)など焼失を免れた収蔵品=6日午後、那覇市の県立博物館・美術館

 沖縄美ら島財団が6日に初公表した、首里城火災で焼失したとみられる収蔵品393点のリスト。貴重な文化財が数多く失われたことがあらためて明らかになり、文化関係者からは焼失を惜しむ声が上がった。

 焼失したとされる収蔵品のうち、漆器は201点と群を抜いて多い。焼失を免れた漆器も、火元の正殿に近い寄満(ゆいんち)収蔵庫の中にあったために損傷がひどく、修復にはかなり時間を要するという。

 焼失した中には「黒漆菊唐草螺鈿天目台」(17世紀)などの古い資料、尚家の巴(ともえ)紋が入った資料、久米島のノロが使った漆器がある。浦添市美術館の宮里正子館長は「古琉球の貴重な物や、確実に琉球王国で使われたと分かる基準資料がある。こんなにたくさんなくなって」と衝撃を隠さない。

 寄満収蔵庫内の温度を記録する機器には、最高で97.4度に達した記録が残っていた。消火の際に水が入り込み「高温で蒸した状態だった」(美ら島財団)。

 そのため焼失を免れたものの、表面に亀裂が入ったり、和紙が貼り付くなど損傷が最も激しいと分類された資料が108点に及ぶ。宮里館長は「漆器は修復専門の技術者も全国的に少ない。(修復に取り掛かるまでの期間に)傷みの進行も心配だ」と懸念した。

 県立芸術大学の宮城篤正元学長は、中国清代の絵師・章聲の絵画「雪中花鳥図」や尚育王の書跡、多くの復元作品などを挙げ「貴重な物が失われた。複製であってもいろいろな資料を調査しており貴重だ。火災は全てを失わせる」と話した。

 焼失した絵画群には油絵もあるが、貴重な作品が含まれているのではないかと推測。「文化財を守るということは大変難しい。見せて活用することも大事だが保存していくことも大事だ」と語った。

首里城火災の後、漆器の状態を調べる専門家(沖縄美ら島財団提供)