羽生結弦は頂点届かず、4回転5度着氷も ネーサン・チェンV3、GPファイナル【写真特集】

男子フリーの演技を終え、リンクに膝をつく羽生結弦=トリノ

 羽生結弦(はにゅう・ゆづる)にとって、2016年以来の参加となったフィギュアスケートのグランプリ(GP)ファイナル。GPシリーズ第6戦、NHK杯で2連勝、史上初の5度目の頂点を目指してトリノに臨んだ羽生は、3連覇を目指すネーサン・チェン(米国)に届かず2位に終わった。

 羽生はショートプログラム(SP)、フリーはともに2位で、合計291・43点。一方のネーサン・チェンはSP、フリーともに1位で、合計335・30点。自身が持つ世界最高を更新する高得点だった。

ジャンプするネーサン・チェン=トリノ

 SPで点差を付けられていた羽生は、ルッツ、ループ、サルコー、トーループの4回転を演目に入れ、計5度の4回転を着氷した。2連続のトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)が単発の1回転半になるミスが終盤に出てしまったけれども、氷上でみせた美しい4回転はファンを魅了した。

4回転ルッツを跳ぶ羽生結弦=トリノ

 何より、過去2シーズン、右足首負傷の影響で出場できなかった大舞台で、ここまでのパフォーマンスをみせたことはすばらしかったといえるのではないだろうか。結果だけを見れば点差が開いているものの、ネーサン・チェンという強敵との次の対決を楽しみに思える結果だった。記者会見での羽生の言葉に期待したい。「理想の形ではないけど、今できることはやりきった。(チェンに負けて)めちゃくちゃ悔しいし、今に見ておけと思っている」。公式練習中には4回転半に挑戦している姿もあった。 トリノでの激闘を写真で振り返る。(文中敬称略、構成、共同通信=川崎経大)

演技する羽生結弦
男子フリーの演技を終え、観客の声援に応える羽生結弦=トリノ

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