銭湯で74言語に対応? 川崎市内35銭湯、翻訳機導入

翻訳機のポケトークを使用した講習に参加するステファニーさん(左)=川崎市高津区の千年温泉

 銭湯に外国人客を呼び込もうと、川崎浴場組合連合会(砂辺信治会長)は、加盟する市内35全ての銭湯で手のひらサイズの翻訳機「POCKETALK(ポケトーク)」を採用した。74言語に対応。同連合会によると、団体で一斉に翻訳機を取り入れるのは全国で初めてという。

 導入を控えた5日には、千年温泉(高津区)で経営者向けの講習会を開いた。参加者は翻訳機を手に、利用者役の外国人を相手にカウンターで接客を疑似体験。ポケトークを使いながらチケットの購入をお願いしたり、銭湯のマナーについて説明したりした。

 また、日本銭湯文化協会が公認する銭湯大使で、フランス出身のステファニー・コロインさん(34)が講演。慣れない日本での生活で、銭湯に漬かりストレスを解消したエピソードや会員制交流サイト(SNS)で世界に銭湯の魅力を発信する活動を紹介した。

 同連合会は「川崎は羽田空港にも近く今後もインバウンド需要が見込める。言葉の壁を取り除いて、利用者の裾野を広げていきたい」と話している。

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