「ながら運転」街頭アンケ 経験6割 「スマホ手放せない」

「ながら運転」に関するアンケート結果

 11月下旬、長崎市近郊の街頭で10代~80代の男女計150人にアンケートを実施し、「ながら運転」の実態を探った。
 「これまでに『ながら運転』をしたことがあるか」の設問には、約60%の94人が「はい」と回答。使用目的(複数回答可)では「通話」が59人と最多で、「LINEなどのメッセージ機能」が38人と続いた。
 「ながら」経験者に使用理由を尋ねると、「移動時にスマートフォンの地図アプリを使う」(20代男子学生)、「仕事の電話が鳴れば反射的に」(40代男性会社員)など、公私両面でスマホを手放せないツールとして説明する人が多かった。
 年代別では、10代~40代(91人)では「はい」が約75%に上り、50代以上(59人)は約44%。そのうち70代以上は回答した15人全員が「いいえ」を選択した。
 厳罰化の認知度は約60%。「厳罰化により『ながら運転』が減ると思うか」の問いには、「やや減少」が75人と半数。「大幅に減少」の37人と合わせ、大半は効果を期待した。残る38人は「効果なし」を選択。「飲酒運転を厳罰化したときと同じで一時的に減ってまた戻る」(40代主婦)といった懐疑的な見方もあった。
 「仕事メールの返信に夢中になっていたら前の車にぶつかりそうだった」(20代男性会社員)。ながら運転中に事故を起こしそうになった経験がある人は30%超。反対に「駐車場を歩いている時に車が突っ込んできた」(50代主婦)、「対向車が中央線をはみ出してきた」(60代無職男性)など、ながら運転の車によって危険な目に遭った人は約40%に上った。
 「どうすれば『ながら運転』をやめられるか」の設問では、さまざまな意見が寄せられた。「車内の一切の電波を遮断」(20代男子学生)、「運転中に視線が外れたらブザーが鳴る仕組み」(同)など車側の機能に注文したり、「さらなる厳罰化」(60代無職男性)を求めたりする人もいた。
 多かったのは「『自分は大丈夫』と慢心する気持ちを持たない」(30代女性公務員)といった精神面での指摘。「事故のニュースを見るたび、絶対してはいけないと思う。みんなやめてほしい」(50代主婦)。そう願う声がある一方、「厳罰化してもやる人はやる。一度自分が痛い目に遭わないとやめないだろう」(40代主婦)と冷ややかな受け止めもあった。

◎アンケート概要

 アンケートは11月27~29日、長崎市近郊の計10カ所で実施。「これまでに『ながら運転』をしたことがあるか」など、八つの設問に選択式で回答してもらい、その後記者が詳細を聞き取った。回答者は10代3人、20代23人、30代33人、40代32人、50代24人、60代20人、70代以上15人。男性87人、女性63人。

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