マービン・ミラーとテッド・シモンズの殿堂入りが決定

ウィンター・ミーティング開始の前夜(現地時間12月8日の夜)、「Modern Baseball Era」の候補者10名を対象としたアメリカ野球殿堂入りの投票結果が発表され、メジャーリーグ選手会初代専務理事を務めたマービン・ミラーとカージナルスなどで好打の捕手として活躍したテッド・シモンズが殿堂入りを決めた。16名の選考委員から最低12票(得票率75%)を獲得する必要があったが、ミラーは12票、シモンズは13票を獲得したことが報じられている。

今回の投票ではミラー、シモンズのほか、ドワイト・エバンス、スティーブ・ガービー、トミー・ジョン、ドン・マティングリー、サーマン・マンソン、デール・マーフィー、デーブ・パーカー、ルー・ウィテカーの合計10名が候補となっていた。タンパベイ・タイムズのマーク・トプキンによると、次点はエバンスで8票(得票率50%)。パーカーが7票、ガービーとウィテカーが6票で続き、ジョン、マティングリー、マンソン、マーフィーの4人は3票以下に終わったという。

ミラーは1966年から1982年までメジャーリーグ選手会の初代専務理事を務め、選手会を「世界最強の労働組合」と呼ばれる地位まで押し上げた人物として知られている。史上初の労使協定の締結、最低保証年俸の増額、フリーエージェント制度の導入、年俸調停制度の創設など、メジャーリーガーの待遇改善に大きく貢献。前回の「Modern Baseball Era」の投票(2017年)では7票(得票率43.8%)に終わっていたが、ようやくその功績が殿堂入りという形で認められることになった。なお、ミラーは2012年に95歳で亡くなっている。

一方のシモンズは、前回の投票で1票届かず殿堂入りを逃していたが、そのリベンジを果たした形となった。カージナルス、ブリュワーズ、ブレーブスで21シーズンにわたって活躍したシモンズは、通算2472安打、打率.285、483二塁打、248本塁打、1389打点をマークした好打の捕手で、1982年にはブリュワーズのワールドシリーズ進出に貢献。オールスター・ゲーム選出8度の実績を誇り、カージナルス時代の1980年には打率.303、21本塁打の好成績でシルバースラッガー賞を受賞した。全米野球記者協会の投票では有資格1年目の1994年に得票率3.7%に終わり、記者投票の対象外となっていたものの、捕手として通算1771試合に出場した頑丈さや通算出塁率.348といった数字が近年再評価されていた。

全米野球記者協会による殿堂入り投票の結果は、日本時間2020年1月22日に発表される予定。また、日本時間2020年7月27日にはクーパーズタウンで殿堂入りセレモニーが開催される。

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