貯金は苦手…と思っている人が持っている共通の「意識」

あなたは貯金が得意ですか?

そう質問をすると、多くの人が「苦手です」と答えます。(仮に得意でも、堂々と「得意」と言うのははばかられるかもしれません。)実際、貯金が苦手であきらめてしまっている人に、たくさんお会いしました。

貯金が苦手だと思っている人は、共通の「意識」があります。今回は、そんな苦手意識がなくなる話を伝えたいと思います。


貯金が苦手なのは、苦しいイメージだから?

貯金が苦手だという人は、なぜそう感じるのでしょうか。

同じくらいの収入があっても、Aさんは「貯金が苦手」といい、Bさんは「まあまあ貯金ができている」ということがよくあります。周りからうらやましがられるほどの高収入でも、「貯金ができなくて……」と、こっそり打ち明けてくれる人も。

収入の多い少ないに関係なく、また実家への仕送りや借金返済などの事情がないのにもかかわらず、「貯金がなぜか苦手」という人はたくさんいます。それはなぜでしょうか。

話をよくよく聞いてみると、「貯金は、我慢をしないとできない」と思い込み、あきらめてしまっていることが実に多いのです。「貯金をするために、好きなものや欲しいものをすべて我慢して、地味な暮らしをしなくてはならない」と思うと、やる気はまったく出ませんよね。

貯金は、「未来の自分への仕送り」と考える

そこで、ぜひ貯金への意識を少しだけ変えてみましょう。好きなものや欲しいものをすべて我慢するのは、つらい。それでは、いったいなんために仕事をがんばっているのかわかりません。

ひたすら我慢して、お金を大事に大事にとっておいて、そのお金は使わずに貯金とともに死んでいく……そんなイメージなら、貯金はマイナスイメージでしかありません。

そうではなく、未来の自分が楽しく使うために、今、ちょっとだけとっておくイメージを持ってみてください。

未来の自分が楽しんだり、可能性を広げたりするために、そのお金を少しずつ準備しておくのです。ただし、ひたすら我慢をして貯めるのはNG(辛いことは、長続きしないので……)。今の楽しみとバランスを取りながら、「未来の自分にも仕送りをする」というイメージ。

すると、楽しみがどんどん増えていくような気持ちにならないでしょうか。

ある程度貯金があれば、いつか長期休暇が取れたときに、貯金があれば長い旅行にも行けます。住みたかった家に住めるかもしれません。資格を取りたいと思ったときも、受講料に躊躇せずに学校に通えるでしょう。

今から少しずつ貯めていくことで、今も楽しみながら、大きなお金が貯めることができ、将来の自分が思い切り楽しめることにつながるのです。

先に貯金をすれば、無駄遣い防止にもなる

いきなりたくさん貯めるのは大変なので、まずは1万円からスタートしてみましょう。手取りが20万円なら、給料振込みと同時に1万円を貯め、手取りが19万円だと思い込んでみます。

手元のお金がいつもより1万円少なければ、当然ですが使えるお金が減ります。「1万円足りない」「好きなものを我慢しなくては」と残念に思うのではなく、「1万円は未来の自分への仕送り」で、今の出費の優先順位の低いものからカットする意識を持ってみてください。

例えば、店頭でインナー(肌着)のセールをしていたときに、安いから買おうかな……と一瞬手が伸びるシーン。「いやいや、よく考えたら家にたくさんある。今度新しいニットを買いたいと思っていたし、今日インナーを買うのはやめよう」といった具合です。

こうしてお金を使うときに、いったん立ち止まって「自分の優先順位」と向き合う習慣がつけば、無駄遣いが自然に減っていくでしょう。

お金があれば、時間を買えることもある

貯金といっても、ただ単にお金を貯めこんでいるだけでは、活きたお金の使い方ではありません。長い人生、ヒマなときもありますが、あまりの忙しさに1分1秒が大切だというときもあります。そんな忙しい時期は、お金で時間を買うこともできます。

時間を短縮するためにタクシーに乗ったり、宅配で食事を頼んだり、部屋の大掃除をプロに頼んだり……。一見贅沢に見えることでも、時間は貴重ですから、お金を使って時間が短縮できれば支払う価値があるでしょう。同じ1日24時間でも、やりたかったことがたくさんできます。

「とにかく時間が欲しい!」と切羽詰まったときに、少し前の自分が貯めたお金があれば、大切な時間を増やすこともできるのです。

貯金に苦手意識を感じている人は、「貯金は、未来の自分への仕送り」「欲しいものを我慢するのではなく、優先順位の低いものから減らせばOK」「貯金があれば、時間を買うこともできる」ということを頭に入れておき、ぜひ月に1万円から貯めはじめてみてください。

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