長崎空港に新浮桟橋 県、IR誘致見据え整備へ

 老朽化した長崎空港(大村市)の浮桟橋などの港湾施設について、長崎県はカジノを含む統合型リゾート(IR)誘致を見据え、国の補助を活用し、高速船の海上ターミナルを整備する方針を固めたことが9日、分かった。事業期間は2020~28年度で事業費53億円。新年度一般会計当初予算案に測量、調査、設計費など1億6千万円を計上する見通し。

 県によると、長崎空港には時津港と結ぶ1日15往復、ハウステンボス(佐世保市)と結ぶ1日5往復の高速船が運航。既存の公共浮桟橋(1971年度に製造)は老朽化が進み、台風で沈没被害を受けるなど安全性が確保できなくなっているため、現在は隣接する民間の浮桟橋を利用している。県は「まずは公共桟橋を確保したい。それに併せてIR誘致で見込まれる観光客の増加にも対応できる施設にしたい」とする。

 計画案では、おおむね5年程度で浮桟橋1基と防波堤を新設し、空港旅客ターミナルビルからの内外連絡通路を改修する。その後は浮桟橋や防波堤を増設し、新たなターミナル用地として6千平方メートルの埋め立て工事を予定している。県港湾課は「あくまでも計画案なので、今後の調査次第で規模や配置などの変更もある」としている。

© 株式会社長崎新聞社