福岡にもリハビリ拠点、投手の査定基準の変化… 鷹・和田が球団に求めたことは?

契約更改に臨んだソフトバンク・和田毅【写真:福谷佑介】

9日に契約更改交渉を行なった和田は現状維持の1億円でサイン

 ソフトバンクの和田毅投手は9日、ヤフオクドーム内の球団事務所で契約更改交渉を行い、今季から現状維持となる年俸1億円プラス出来高払いでサインした。今季は左肩痛から復活し4勝をマーク。日本一になった日本シリーズ第4戦では勝利投手になった。現状維持の評価に交渉後は「ありがたいです」と感謝していた。(金額は推定)

 この契約更改交渉でベテラン左腕は球団に2つの要望を出した。1つがリハビリ組たちの環境整備。現在、故障を抱えたリハビリ組は筑後にある「HAWKS ベースボールパーク筑後」で治療や練習を行っている。福岡市内に居を構える主力組の場合、車や新幹線で約1時間かけて“通勤”することになる。

 和田は「福岡市内に住んでいる人用に、リハビリ組の拠点を福岡側にも作って欲しい」と要望したという。筑後への“通勤”は往復で2時間超を要し、高速の渋滞などがあると、片道2時間や2時間半を要することもある。メディカルチェックでも佐賀まで行かなければならないなどの移動で身体にかかる負担を考えての提案だった。

 オフシーズンになると、ヤフオクドームはアーティストのコンサートなどのイベントが入り、グラウンドが使えないことが多い。「ランニングは砂浜だったり、キャッチボールが出来ずに筑後に行くかネットスローをするかになってしまう。福岡側に施設があれば、スペースも確保できる」。すぐにというわけではなく、将来的な要望として提案した。

 もう1点が、投手の査定基準について。「最近のプロ野球は打高投低になっている。球場は狭くなっているし、ルールも投手にちょっとずつ不利になっているし、ボールも少し飛ぶようになっていると感じる」と和田はいう。そのため、投手の評価の基準も従来のものから変化させるべきではないか、というのだ。

 ヤフオクドームにホームランテラスが設置され、今季はZOZOマリンスタジアムにもホームランラグーンが出来た。本塁打が出易い球場が増えている現状からも「今なら防御率3.50でも、昔なら3.00くらいじゃないかとも思う。昔より今の方が抑えるのは難しい。少しでも投手が評価されて欲しいという個人的な思いで言わせていただきました」と訴えた。

 これまでにも筑後の夏場の暑さへの対策を訴えかけるなど、チームの環境面などの改善を求めてきた和田の契約更改交渉。今季の要望は果たして実現するだろうか。(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

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