教頭先生っていつも何してるの?今どき小学生との向き合い方も聞いてきた

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こんにちは、Zing!編集部の澤田です。先日、令和の小学生事情を小学6年生の子供たちにインタビューしてきましたが、今回は令和の学校事情です。
昨今、小学生が被害となる事件を多く耳にしますが、親だけではなく、学校も子供たちを守るため様々な対策をされているそうです。昔では考えられなかった学校のシステムや体制を大阪府にある某小学校の教頭先生にお伺いしてきました。

先生から見ると時代が変わっても、子供たちが変化したところはない!?

――こんにちは、本日は令和の学校事情についてお伺いしたいと思います。早速ですが、最近の子供たちについて昔と比べて変わったことはありますか?

子供たち自体には大きな変化というのはありませんが、学校側の変化として「叱り方」は変えざるを得ませんでした。昔はなかなかいうことを聞かなかったり、とんでもない悪事を働いた子供には、軽く頭を叩く先生もいましたが、よくニュースにもなっているので知っているとは思いますが、今では大問題に発展します。

――具体的にはどのような変化ですか?

例えば、遅刻する子供や学校に来たくない子がいるとします。昔だとそういった子がいるとクラス内でちょっとした騒ぎになったりしていたんです。「○○、学校に行きなさい!」と親御さんが蹴飛ばしてでも行かせることがあったんですが、今では親御さんに対しても「学校に来させてください」と言ってしまうと負担になってしまうんです。「無理せず登校させなくてもいいですよ」と伝えたり、集団に対応できない子がいたらフリースクールを薦めてみたり、無理やりに引っ張ってくるという認識はなくなりました。

――学校での子供たちの遊ばせ方にも変化はありますか?

もちろんです。乱暴な遊び方に関しては厳しく取り締まっていますね。

――乱暴な遊びというのは?

私たちが子供の頃は“壁当て”といって、壁に野球ボールを当てて、次の人が取り損ねたら罰ゲーム。壁に張り付けになってボールを投げられるという、危険極まりない遊びがあったんです(笑)。今ではそのような暴力的な遊びを見かけたら、やめさせるようにしていますね。

――罰ゲームでいうと、私が子供の頃によくやったのが“デコピン”や“しっぺ”ですが、今もあるのものなのですか?

今はほとんど見ないですね。これはたまたま見ていないのかもしれないですが、デコピンでも軽度な暴力的行為に当たり、見え方によってはイジメと捉えることができます。遊んでいるだけだと言っていても、周りから見れば暴力をふるっているだけですから、「やめなさい」と伝えます。イジメにつながる行為は小さな芽の段階で摘んであげないと、いずれは大きなイジメにつながってしまうので、見逃せないですね。親御さんの心配にもつながることなので、できるだけ迅速に対処していますね。

――親御さんからの要求というのは増えたのでしょうか?

ここ十数年で小学生にまつわる事件が多発していることから、親御さんは心配になっていますね。去年の話になりますが、下校時間の少し前に大雨が降ったことがあり、雨が弱まり雷もなっていない、洪水にもなっていないことを確認してから、子供たちを帰らせたことがありました。しっかりと安全確認をしていたのですが、親御さんから「なんで帰らせたんですか!」と電話がかかってきたことがありました。説明をしても納得していただけないので、陳謝いたしました。

――それぞれの感覚で左右されるものなので大変ですね。

そうですね。他にも親御さんからの問い合わせであったのが、「通学路にハトの死骸がいて子供に見せたくないので掃除してくれませんか?」だったり(笑)。それは市役所さんの仕事じゃないかなと思いつつも、対応いたしました。本当にいろんな要求があるんですよ。役所感覚、便利屋感覚で要求して来られる方もいますので、昔に比べると業務自体が増えていると思います。

時代が変わると子供たちの学校生活は充実するが……先生は大変!

――子供たちと話す話題は何か変わりましたか?

やはりYouTubeというワードはものすごく出てきます。昔はサッカーだったり、野球だったり、TVで放送されていることが話題になっていたので、子供たちとの話題の種はTVを見ていればよかったのです。ですが今は娯楽が細分化されていて、話題もそれぞれの子供たちによって全然違うんです。私も少しYouTubeを勉強して、子供たちに話題を振ってみたことがあるんですが「知らない」と言われてしまって、会話が続かないことが多々あります(笑)。

――授業に関して変化したことは?

やはり、外国語教育と来年度から始まるプログラミング教育ですね。外国語に関してはこの学校では外国人の先生に来てもらって英語の勉強を行っています。英語に関しては中学生になったときに、全く違う言語にいきなり触れて拒否反応を示さないために触れさせておくという目的なんです。そして、プログラミング教育に関しては、PCでロボットの動きをプログラミングして、実際に動かしていくんです。動かなければ何が悪かったのかをトライ&エラーで試行。この授業で重要なのは「ロボットを動かすこと」が目的ではなく、「事前に用意しておいたものを操作して、手順通りに動くのか」というプロセスなんです。ダメなのであれば悪い部分が何なのか、思考や検証させる方法を学ばせることが今後に繋がってくるのだと考えています。

――専門の先生を招いて、教えるのですか?

いえ、在籍している教師がプログラミングの知識を先に学んで教えることになります。 私たちも勉強しないといけないので大変です(笑)。

――パソコン設備などはどうされるのですか?

幸いにもこの学校には一クラス分を賄えるタブレットがあるのでそれを使用します。

――昔と比べて、設備も充実しているんですね。

そうですね。設備でいえば、希望する生徒にGPS端末を持たせて学校の玄関をくぐったら親御さんの携帯に連絡がいくようなシステムがあるんです。昨今はこういったシステムがあるので、便利になったなと感じています。

そういえば、澤田さんが子供の頃、習字の時間って毎週ありましたよね? 実は今って月に1回しかしないんです。驚きでしょう?

――え! 日本の伝統的なものがなぜ! それはどうしてでしょうか?

今のカリキュラムや、身に付けさせていくことを教えるとなると、昔ほど習字に時間を割くことができなくなっているんです。親御さんの教育内容への関心も昔より高くなっていることも影響していますね。

卒業した小学校の教頭先生って……覚えてますか?

――先生の一日のスケジュールはどんなものですか?

7時から8時には出勤してきて、子供たちの連絡帳をチェックしたりします。8時25分には職員朝礼があり、5分後には教室で朝の会が始まります。そのまま45分間授業を行い、そこからは休み時間にテストの丸付けを行ったり、次の授業の準備を行ったり……基本的には毎日ばたばたとしていますね。授業が終われば教師内での会議がありますので、人によって異なりますが、帰宅は18時ほどになったり、遅いときには21時頃になることもあり、日や時期によって変動します。

――ちなみに教頭先生のスケジュールはどんなものですか?

一日でスケジューリングするのは難しいですね。教頭はイレギュラーの塊ですから……。校長は役所でいうところの課長クラス、教頭は役所の課長補佐クラスの役職にあたるそうなんです。物事の最終決定は校長が行いますが、そこまでの書類作成等、実務は教頭が行うことが多いです。教育委員会を通じた調査の解答や出張の手配、あとは校区内の団体やPTA、必要な時は警察や消防署ともやりとりします。いろんなお願い、苦情を含めた電話も入りますし、それを受け応えること、動きを決めて指示を出すことなどもしながら、ひと月や一日の予定をボードに書いたり、職員室の日直のようなこともしています。

――何か変わった業務はありますか?

変わった業務というよりかは教頭という立場を説明しましょうか。澤田さんは小学生だった頃の校長ってどんな人だったか覚えていますか?

――そうですね。優しそうな顔をしていて、実際に優しかったなぁっていうのは覚えています。

なるほど。では、教頭は?

――教頭ですか……。すいません、思い出せないです。顔も印象も……。

そうなんです! 全ての教頭がそうというわけではないのですが、私の教頭としての働き方は普段、何かあった時の対応人員として、職員室に居るようにしています。そうなると、生徒と触れ合う機会が他の教師よりもちょっとだけ少なくなります。また、入学式や卒業式などの式典では私が司会をしますので、そのような場所で子どもたちの受けを狙おうなんてもってのほか! ロボットのように業務に徹しなければならないんです(笑)。
ですが、この学校では唯一、運動会のときだけ私見を述べる時間があるのです!
校長が開会式で挨拶を行い、教頭が閉会式で講評を述べます。1年間で唯一、子供たちの目の前に立って私の意見を発する場ですので、思いっきり褒めることにしています。
ここまでしても子供たちにとって、私の印象はあまり刻まれないんですけどね(笑)。

――実際に子どもたちはわからないかもしれないですが、教頭先生は学校の縁の下の力持ち的存在だったんですね。最後に教師になって、気を付けていることは?

教師というよりは教頭になってみて気を付けていることは、問題が発生したときの対応ですね。発生してしまったときの対応は本当に大変なので、できるだけ問題が起こらないように早期発見、早期対応を意識して日々の業務を行っています。

――なるほど、起こらないことが一番ですが、万が一起こってしまったときのことも考えているんですね。それでは教師になってみて良かったことは?

教え子から同窓会に呼んでもらえたときは嬉しかったですね。教え子とお酒を飲みながら昔の話をするなんて……ほんとに最高ですよ。ほかには毎年、出会いと別れがあって人間らしい感動をできることですね。

今回取材させていただいて、教師は私たちが思っているよりも子どもたちのことを考えてくれて、日々の業務に励んでいるのだと分かりました。私たちの仕事でもその時代の流行をいち早く取り入れて取材することが大事ですが、教師も時代が変化しているからこそ、授業の教え方、子どもたちとの接し方を考えていかなければいけません。想像していたより難しい仕事でやりがいのある仕事なんだなと感じました。