トマト生産者「後継者いない」7割 県内有数の産地、新潟北区で調査

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 新潟県内有数のトマトの産地新潟市北区で、生産者の約7割に後継者がいないことが、区のアンケート調査で分かった。ただ、区内でも濁川地区では若い生産者の割合が比較的高く、規模拡大の意欲が強いなど、温度差がある。現状では区全体の生産量は落ち込む見通しで、区は情報通信技術(ICT)の活用により産地の底上げを図りたい考えだ。

 北区やJAなどはトマト生産の収益力などを向上させるため、区が事務局となってICT導入の検討会議を設けている。調査結果は11月22日の会議で示された。

 区内の生産者109人中65人が回答した調査では、「後継者がいない」と答えたのは66.2%だった。従業者180人の平均年齢は53.1歳。5年後の生産規模予定は現状維持50.8%、縮小27.7%、離農4.6%に対し、規模拡大は13.8%にとどまった。

 課題は「トマト価格の低迷」が最も多く、「ハウスの老朽化」「後継者がいない」「労働力の確保が難しい」と続いた。

 一方、葛塚、木崎、長浦・岡方、濁川(南浜を含む)の4地区別では、状況の違いも明らかになった。

 主産地の葛塚は平均年齢64.2歳で後継者不在が8割超、同67.5歳の木崎は7割超、同59.4歳の長浦・岡方も5割に上った。5年後の生産規模拡大予定は葛塚が8%、長浦・岡方6.3%、木崎0%だった。

 これに対し、もう一つの主産地の濁川は同38.2歳で、後継者不在こそ半数超に上ったものの、3割超が5年後の生産規模拡大を予定した。

 濁川は高糖度、高価格のトマト生産が盛んで、独自のブランド化や販路開拓の動きが目立つ。従業者数5人以上の経営体の割合も高く、若者が入りやすい環境にある。

 区産業振興課の山際幸太課長は取材に、「(区全体では)手を打たないと生産量は落ちる。収益改善の方法の一つとして、ICTを活用してもらう仕掛けを検討したい」と語った。