12月9日、ロードレース世界選手権のMotoGPクラスに参戦するレアーレ・アビンティア・レーシングは、2020年シーズンにヨハン・ザルコを起用すると発表した。
2012年からMotoGPクラスに参戦を開始したレアーレ・アビンティア・レーシングは、2014年からはドゥカティファクトリーと契約を結びプライベートチームとして参戦していた。チームは11月18日にドゥカティファクトリーとの契約を延長し、サテライトチームとして活動することとなった。
また、11月末にカレル・アブラハムと契約を解消したことで、シートがひとつ空き来季のライダーラインアップ発表が待たれていた。そのシートにザルコが収まることが今回発表された。
ザルコは2015年と2016年にMoto2クラスを2度制し、2017年にMotoGPクラスに昇格したフランス人ライダー。最高峰クラスでは、最初の2年間をモンスター・ヤマハ・テック3で過ごし、ヤマハ・YZR-M1を駆りベストリザルトは2位表彰台を獲得し、ルーキー・オブ・ザ・イヤーも獲得した。
2019年からはレッドブルKTMファクトリー・レーシングに移籍し、KTM・RC16に乗っていたが、シングルフィニッシュすらできず成績は低迷。終盤6戦のシートをミカ・カリオに譲った。
ところが、中上貴晶が第16戦日本GP後に右肩の手術を受け欠場することになったため、残りの3戦はLCRホンダ・イデミツから参戦しホンダRC213Vを駆り戦った。
KTMと契約を解消したことにより、2020年のシートが決まっていなかったザルコは、ドゥカティと直接1年間契約を結びレアーレ・アビンティア・レーシングでティト・ラバットとともに参戦することになった。
マシンは1年落ちのドゥカティ・デスモセディチGP19で、2月7~9日に行われるセパンオフィシャルテストで初めてマシンを駆ることになる。
2016年6月に行ったスズキのプライベートテストを含めると、アプリリア以外のすべてのMotoGPマシンに乗ることになるザルコ。複数のMotoGPクラスのチームでの経験を活かし、来季は再び表彰台争いに絡むだろうか。
ヨハン・ザルコは「ドゥカティとサインをし、2020年シーズンのMotoGPにレアーレ・アビンティア・レーシングから出場することを正式に発表できてとても喜ばしく思っている。僕の左足首は良くなっているし、今は休暇を取って家族と一緒にこの冬を楽しんでいる。すぐにまたトレーニングを始めるよ!」とコメント。
チームオーナーであるラウル・ロメロは「ヨハン・ザルコのような素晴らしいライダーが我々のチームに加入したことを本当に嬉しく思い、興奮している。サテライトチームになることでマテリアル(マシンやパーツの供給)についても飛躍を遂げ、ドゥカティとの契約を延長したのでチームの成長もさらに強化される」と来季のチーム体制について喜びを表す。
「これらのパッケージのおかげで、過去数年間の努力をサーキットで反映することができるだろう。ヨハンとティト(ラバト)がトップ10に入り、すぐに手本となるようなチームになることを願っている」
「最後に、この数年間におけるすべてのスポンサーの尽力に感謝したい。彼らがいなければ、これは起こりえないことだっただろう」