サウジアラビアが2020年予算を発表:効率性をもたらし、民間部門の成長を促進

サウジアラビアが2020年予算を発表:効率性をもたらし、民間部門の成長を促進

AsiaNet 82086(2485)

【リヤド(サウジアラビア)2019年12月10日PR Newswire=共同通信JBN】2020年予算は、歳出が1兆200億サウジ・リヤル、歳入(予想)が8330億サウジ・リヤルであることを示している。2020年の財政赤字は1870億サウジ・リヤル(GDPの6.4%)になると予測されている。2019年度の歳出実績は1兆480億サウジ・リヤル、歳入実績は9170億サウジ・リヤルに達すると見込まれる。財政赤字は1310億サウジ・リヤル(2019年推計GDPの4.7%)になると予想される。

World Bank Ease of Doing Business Report 2020(世界銀行の2020年ビジネス環境調査)がサウジアラビア王国を世界で最もビジネス環境の改善が見られた国と認め、ビジネス環境の順位は30上昇して62位となったように、同国のビジネス環境は2019年に改善した。新しい政府入札・調達法、新設の商事裁判所、新しい競争法、計画された官民パートナーシップ法などこの分野で計画された300件の改革の62%が完了した。

2020年予算は、Vision 2030プロジェクト、継続的な民間セクター刺激策、メガプロジェクトの実施、Vision Realization Programsに焦点を当てている。これにより、多くの大規模CAPEXインフラプロジェクトが終了し、官民パートナーシッププロジェクトが増加、政府支出需要が減り、効率性と有効性が大幅に改善された。

政府は、運営費と設備投資の双方に向けた支出の効率を引き続き向上させる。これらの取り組みは、公共サービスの質と、その中期にわたる経済的および社会的リターンを高めることを目指している。予算は引き続き教育および保健部門に焦点を当てている。保健部門への予算配分は1670億サウジ・リヤルに達し、教育部門には1930億サウジ・リヤルが割り当てられ、両部門の合計額は承認された歳出の35%を占める。

ムハンマド・ジャドアーン財務相は「この予算は、財政の持続可能性を確保しつつ、経済成長を強化、維持するという政府の熱意を示している。われわれは、非石油GDPの成長を目標とする経済政策を採用し、市民に提供するサービスの質を向上させ、政府支出、特に社会支出の効率と有効性を高めた。同時に政府は、Saudi Vision 2030の目標の傘下で、経済、雇用創出、投資多様化における民間部門の役割を強化するという確固としたコミットメントを継続している」と語った。

同財務相はまた、2020年予算声明は、第2四半期の民間非石油GDPが3.4%成長したことなど、2019年のさまざまな経済部門の顕著な成長を示していると述べた。また政府は、安定した経済的枠組みを提供しつつ、有望な部門への投資に適した環境を確立することにより、経済多様化を目的とした戦略的目標の実行を継続すると強調した。

実質GDP成長率予測の中期修正は、2020年の実質GDP成長率が2.3%となることを示している。成長は中期でも同じペースで続くと見込まれる。

同財務相は、戦略的部門を対象とする22の民間部門支援イニシアチブが、第2四半期の部門別成長数に実を結んでいると繰り返し語った。卸売・小売業、レストラン、ホテルの各部門は5.8%成長した。物流や技術サービスを含む輸送、倉庫、通信の分野では6.4%の成長率を記録した。金融サービス、保険、不動産の分野では成長率は5.4%だった。コミュニティー部門および、エンターテインメント・スポーツなどのソーシャル&パーソナルサービス部門は7.4%の成長を記録した。さらに、建設部門の成長率は4.9%だった。

同財務相は、予算声明にはVision 2030の目標達成のための予算の構築と実施に焦点を合わせつつ、同時に歳出と財政実績における透明性を強化し、効率性を改善する政府の取り組みが反映されていると結論付けた。

ソース:Ministry of Finance Saudi Arabia