碑学び 次代へ教訓 高田東中、本紙連載を教材に活用

畑山祥山住職から津波の石碑について説明を受ける高田東中の3年生

 津波の石碑と東日本大震災の教訓を追う本紙連載企画「碑(いしぶみ)の記憶」を教材に、復興教育を兼ねた社会・公民の学習に取り組む陸前高田市の高田東中(昆野賢寿校長、生徒176人)の3年生62人は9日、地元の華蔵(けぞう)寺を訪れた。企画に取り上げられた石碑を畑山祥山住職(53)の説明で見学し、先人が石碑に託した思いを考えた。

 華蔵寺には海嘯(かいしょう)(津波)溺死供養塔など住民の手で建てられた石碑群が残る。畑山住職は、1896(明治29)年の大津波と99年に大流行した赤痢の犠牲者を弔う碑に込められた思いを解説。菅野開斗(かいと)さんは「津波の被害を伝えるため、石碑は人が集まる寺に建てられたと感じた。何度も立ち直る先人の話を聞き勇気をもらった」とし、熊谷真奈さんは「犠牲者を忘れず、次世代に教訓を伝えることが私たちにできること。若者が中心となりみんなで伝えていく地域を目指したい」と畑山住職の話から考えた。

 

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