日本維新の会、兵庫での活動に危機感「分かりやすい目標は首長選」

©株式会社神戸新聞社

党勢拡大を期し、日本維新の会は2年後の兵庫県知事選への候補擁立を模索する=神戸市中央区下山手通5、兵庫県庁

 大阪市を廃止し特別区に再編する「大阪都構想」の実現に向けて勢いづく日本維新の会が、兵庫県内での活動に危機感を募らせている。4月の統一地方選で勢力を広げて大阪に次ぐ「第2の牙城」として足場を固めつつあるものの、兵庫県で都構想に匹敵する旗印はなく、県議会や神戸市会でも存在感はいまひとつ。所属議員の激励に訪れた吉村洋文副代表(大阪府知事)は「分かりやすい目標は首長選」と奮起を促しており、2年後の県知事選参戦も視野に方向性を模索している。(井関 徹、石沢菜々子)

 「都構想を掲げている大阪とは違い、兵庫では共通の目標がない。首長を目指すべきだ」。11月24日夜、吉村副代表は維新の県組織「兵庫維新の会」の会合で熱っぽく訴えた。

 維新は4月の大阪府知事・市長の入れ替えダブル選で圧勝。余勢は兵庫にも及び、統一選で地方議員が33人から51人に増えた。7月の参院選兵庫選挙区(改選数3)では自民、公明両党の候補を抑え、維新の現職候補がトップで再選した。

 ただ、県議会(定数86)の所属議員は8人で、知事与党の自民や公明、旧民主系会派とは一線を画すが、存在感を示す場面は少ない。「身を切る改革」を訴え続けるが、目立った成果は残せていない。

 関係者によると、非公開の会合で吉村副代表は、議会での多数派工作や支援者の掘り起こしなど、大阪の維新が得意とする組織戦が兵庫では発揮できていないとし、政治手法の未熟さを指摘。その上で「兵庫が(首長選での擁立を)決めたら党本部は全面的にバックアップする」とした。これに対し参加者は「大きな目標は知事選となる。そう受け取った」と力を込める。

 維新は6年前、道州制の実現などを掲げて大阪府以外の首長選では初めて、兵庫の伊丹と宝塚市長選に公認候補を擁立。絶大な人気を誇った橋下徹共同代表(当時)も応援に駆け付けたが、いずれも大敗した。2年前に初参戦した神戸市長選でも落選。独自候補の連敗続きに「まずは基礎自治体(市町)の首長を取ることからだ」と慎重論も根強い。

 次期知事選を巡っては、候補者の検討を始めた県議会の最大会派自民などが維新の動きを警戒。井戸敏三知事も後継者を模索する意向を示しつつ、自らの去就は明言しておらず、維新の態度によっては情勢が流動化する可能性がある。