「新サクラ大戦」アドベンチャーとアクションのこだわりと葛藤が語られた開発者インタビューをお届け!

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セガゲームスより2019年12月12日に発売を迎えるPS4用ソフト「新サクラ大戦」の開発スタッフへインタビューを実施。アドベンチャーパートとバトルパートの魅力を中心に話を伺った。

今回インタビューに参加いただいたのは、片野徹氏(「新サクラ大戦」プロデューサー)、楠香奈子氏(「新サクラ大戦」アドベンチャーパートゲームデザイナー)、岡田峰行氏(「新サクラ大戦」バトルパートゲームデザイナー)の3名。東京ゲームショウ2019での片野氏とディレクター・大坪鉄弥氏へのインタビューでは各要素について一通り伺ったが、今回はアドベンチャーパート、バトルパートそれぞれの細かな点を中心に開発のエピソードやこだわりを聞いた。

(左から)岡田峰行氏、楠香奈子氏、片野徹氏

■現実とゲームでリンクしている時間の流れ

――本日はよろしくお願いいたします。まずお三方の本作における役割についてお聞かせいただけますでしょうか?

片野:私はプロデューサーで、本作をプロデュースしています(笑)。よろしくお願いいたします。

楠:私はアドベンチャーパートの担当プランナーです。アドベンチャーパート全体のゲームデザインをしたり、キャラクターの細かい配置や演出の見せ方などを全体的に調整・管理いたしました。

岡田:私はバトルパートの担当プランナーで、バトルパートのゲームデザインおよび、メンバーの進捗管理を担当していました。

――いよいよ発売を迎えるということで、現在の心境はいかがでしょうか?

片野:あとはもう遊んでいただくだけだと思っていて、半分不安もあり、もう半分は喜んでいただけるはずという自信もありという感じですね。

楠:私もあとはもうユーザーさんに届くのみかなと思っています。私たちも精いっぱい作っていいものができているかなと思うので、楽しんでいただけるんじゃないかなとわくわくしています。

岡田:バトルパートはシミュレーションからアクションに大きく舵をきったところがありますので、やはりユーザーの皆様に受け入れてもらえるかどうかは不安なところでありつつも、やはり楽しみなところでもあります。

――毎月の生放送や東京ゲームショウ(以下、TGS)でのステージなど露出を多く行ってきましたが、こうした取り組みの狙いについてお聞かせください。また、番組の反響などを受けての手応えはいかがでしょうか?

片野:まず、今回発売まですごくお待たせしてしまったというところがあるので、そうしたお客様に応えたい気持ちがあります。そのためにもこれ以上待たせる形にならないよう、定期的に情報をお届けすることで、しっかりと開発が進んでるよという安心感を伝えたいなと。また、ゲームの内容もボリューム感がありましたので、毎月放送でもネタとして困ることはないだろうという考えもありました。

何より、久々の再立ち上げの段階だったので、ただ単にゲームを作って出しましたという流れではなく、ファンの方々も参加していただいて、「新サクラ大戦」の発売まで、そして発売後もずっと盛り上がれるよう、双方向に近い生放送や「帝国華撃団・応援組」、イベントなどの取り組みを通じて、皆さんの声をなるべくダイレクトに受け取りたいと思っていました。

――応援してくれる方というのは、やはり昔から好きな方が多い印象でしょうか?

片野:やはり旧作のファンの方々の声援があってリブートできたタイトルでもありますので感謝してもしきれないところはあります。それとともに、旧作ファンの方々が魅力を周りに伝えてくれることによって、新しいファンの方々が集まってくれることもこの半年強の期間で感じ取ることもできました。そういう意味で旧作のファンあっての「新サクラ大戦」ですし、新しいファンの方が増えていくことによってリブートは成功するだろうという気持ちがあるので、今後も一緒に盛り上がれる場を作っていきたいなと思います。

――11月21日には体験版も配信されて、発売前に体験した人も増えてきたと思います。

片野:静止画ではなかなか魅力を伝えられないから動画で、という形で今までも初出の情報はまず動画という流れでやっていました。実機を触っていただいた方々からはその動画よりも実機のほうが良いという方がほとんどで、これはやはり体験版などでゲームを体験いただかないことには本当の魅力が伝わらないなというのをつい最近も実感しました。体験版自体はアドベンチャーとバトルの面白いところを抽出しているので、そのあたりについてはきっと2人(楠氏、岡田氏)に話してもらったほうが良いと思います(笑)。

――その点についてはまた後ほどお聞きするとして(笑)、改めて今作におけるコンセプトについてお聞かせください。

片野:「サクラ大戦」自体がすごく大きなIPで、ファンの方々も熱狂的に支持してくださる方が多いタイトルなので、まずはファンの方を喜ばせたいというのがあります。その上で、また続けていくためには新しいファンの方も取り込んでいかなければいけないという命題を抱えていたので、ゲーム内容も今風にアレンジしていかなければいけないところもあるだろうと。でも実は、これってゲーム中の時の流れとリンクしているところでもあるんです。

ゲーム中も前作から12年後の太正二十九年なのである程度変わっているじゃないですか。それと現実の世界も時間の流れで変わっているところをリンクさせていて、これだけ時間が経っているからゲームの中身も変わっているし、我々も変わっているというところが、実は細かいところまで見ると分かるようになっています。これまでのファンの方々も過去作のあの場面や設定がこう変わっているんだと感じ取れますし、新作から入られる方は今から始めても大丈夫という内容になっているのかなと思いますので、そのコンセプトはしっくり来ているなと個人的に思っています。だからこそ、新しく始める方も安心してプレイしてみてください。

――花組の隊員をはじめ、各華撃団のキャラクター設定や造形について意識した点があればお聞かせください。

片野:世界の華撃団がそれぞれに魅力あるものになってほしいし、そういう点をフックにしてたくさんの人に集まっていただきたいという気持ちがありましたので、それぞれの華撃団で異なるデザイナーの方に参加していただきました。これはセガフェス2019のステージで言ったことなんですが、「主人公がたくさんいるぐらいの勢いで豪華なものにする」というのは、世界華撃団大戦というテーマが決まった時から狙っていたことでした。

それぐらいの魅力がないと、存在感がないと思いますし、世界の華撃団が降魔と戦っている状況も入ってこないと思うんですよ。かといって、同じ方に全て描いていただくというよりは(それぞれ別の方に担当してもらったほうが)色を出しやすいというところがありました。例えば島田フミカネさんに描いていただいた伯林華撃団のキャラクターですと、ドイツでミリタリーといえば島田さんですよね、みたいなところはファンの方に納得いただけるようなイメージかなと思うので、そういう点からお願いしてみたというところです。

これは今の時代性もありますよね。スマートフォンのゲームでは複数のデザイナーさんによるデザインが同居するというのが日常的になってきますが、これは10年前では考えられなかった話だと思うので。

――今の時代だからこそ自然に感じられるということですね。

■コミュニケーションモードは最後の大ネタ!こだわりたっぷりのADVパート

――続いてアドベンチャーパートについてお話を伺っていきたいと思います。今回は3Dで楽しめるアドベンチャーパートになっていますが、構築される上で明確に意識した点があればお聞かせください。

楠:旧作のファンの方々にとって帝劇(大帝国劇場)という存在は大きなものだとと思っていて、思い出の中の帝劇は壊さないよう、忠実であり真新しくもある帝劇を3Dモデルで作るというところに神経を使いました。以前からのユーザーさんは懐かしさと、あの帝劇を歩き回れるんだと思ってもらえるようなもの、新規のユーザーさんに対しては「太正時代」という特徴的な世界観というものを味わっていただける雰囲気づくりの両方を大切に、マップ作りを行っていきました。

キャラクターとのコミュニケーションの部分では、主人公である神山誠十郎と、彼を取り巻く女の子たちやその他のキャラクターが帝劇の中や銀座の街にも存在していて、自分が神山としてその世界を楽しめるように、キャラクターの配置やキャラクターとの関わり方にもかなり神経を使って、(世界観に)入っていただけるようなものにしようと考えて作っていました。

――イベントシーンやLIPSはキャラクターのアクションが大仰な感じで、そこがいい意味でお芝居している感じが出ていて良いなと思いました。中でもボイスのないシーンでもしっかりと会話に合わせたアクションをしているので、普段は大体読み飛ばしてしまうのですが、今作については飛ばさずに見てしまいました(笑)。

楠:イベントシーンを作る際にも演技のコミカルさというか、多少オーバーにというのは意識しています。飛ばせないと言ってくださったのがすごく嬉しくて、ボイスのないところでも、その言葉に合わせて端々まで本当にキャラクターが生き生きと演技しているので是非最後まで見ていただいて、その細かい演技を味わっていただきたいです!

――イベントシーンではその流れに沿ってシネマチックな感じで楽しめる一方、探索しているところでは自分が隊長となって動いている感覚が味わえました。

楠:「サクラ大戦」は「隊長ゲーム」というキーワードをとても大切にしていて、女の子がいるからそこに行くというだけでなく、隊長という存在感を味わってもらうために、イベントの開始方法にもこだわっていました。女の子がいるから話しかけてイベントが始まるというのももちろんあるのですが、廊下の端に行ったらあざみが落ちてきたり、走っていたらキャラクターに「神山さん」と呼びかけられたりだとか、キャラクターがそこで生活しているかのような世界観の中で、隊長として頼りにされている、キャラクターと出会って自分もうれしいし、キャラクターもよろこんでくれる。そういった部分も味わっていただけるように配置しております。

片野:確かに呼びかけに関してはそうだったね。元々は何で用があっているのに、近くを通った時に何も反応しないんだろうというアンチテーゼがあって、だったら近くに来たら呼びかけるよねという話から入っていたりします。

――中には迷子の女の子を探し出すなど制限時間が設けられているイベントなどもあり、いい意味で緊張感がありましたが、そうしたインタラクティブなイベント設計は意識されているのでしょうか?

楠:ゲームなので自由に遊んでほしいというところはありつつ、時間制限があり、「選択しない」ことを「無言」と捉えられるLIPSも含め、少しリアルな感覚を味わえるのはアドベンチャーゲームとして世界に入っていく上では大事だなと思っています。

例えば迷子の女の子がいたときに、放置してほかのキャラクターに会いに行ってもいいですけど、いやいや助けてあげないと駄目だよね…といったような理屈がきちんと伴うところには、時間制限をかけさせてもらいました。インタラクティブな部分にはしっかりとした理屈を用意した上で、その要素を載せるということを体的に意識してやっています。

――アドベンチャーゲームとして、神山とヒロインとの交流だけでなく、幅広いイベントがあって1話分プレイするだけでもとてもボリュームがあるなと思いました。

片野:例えば1話や2話って、登場人物以外にその世界観に浸ってもらうシーンだと思うんですね。太正ロマンの世界観だったり、実は「新サクラ大戦」に限らず「サクラ大戦」ってこういう雰囲気のゲームですよというのを知っていただく時間なので、結構長めに取っていますね。

――プレイしていて、単純なゲームサイクルにならないというのは良い部分だなと思っていました。

楠:メインシナリオは一応あるんだけれども、それ以外のところはユーザーさんが自由に遊んでもらいたいとか、メインの道筋も同時に進行する中でどこから遊ぶのもプレイヤーの自由だったりとか、柔軟にやりたいというのは片野や(ディレクターの)大坪からも指示があって意識しましたね。

――あと演出的なところとしてカメラワークがすごく意識されているなと思いました。話しかけたところでカメラに補正がかかるのもいいですね。

楠:イベントのカメラワークに関しては、イベント班のこだわりがすごくあります。カメラワークだけでなく表情やモーションもそうなんですけど、コミカルさやメリハリは意識して、全体的に演技付けをしてたとイベント担当からもよく聞いています。

「サクラ大戦」はもともと流れとしてコミカルというか、歌劇団ということで演劇的な雰囲気があるので、話しかけたら表情豊かにコミカルで楽しい時間が繰り広げられるというのはずっと念頭に置いて作ってくれていました。

また、マップ上でシームレスに発生するイベントのカメラ補正なども、やはりキャラクターありきで顔が見えないと駄目だよねというところから始まっています。もちろんその後自由にカメラも変えていただけるので、好きなように見てくださいという自由度も残しつつ、キャラクターを見てくださいという感じですね。

片野:カメラも最初と比べると変わったんですよ。一番最初は神山が画面の左端にいて斜めに撮るようなカメラで、一枚絵としては自然に見えて良かったんですが、プレイするとしっくりこない感じで。特に調べるなどのコマンドを行う時に、何を調べようとしているかが分かりづらいというゲーム的な観点で、今のかたちに落ち着いています。

ただ、その時に絵的によかった部分が少し感じられるように残っているシーンもありますね。終盤の終盤で修正したので、「そこまで見るんだったらもっと作らなきゃ駄目じゃん!」と背景の人たちが少し怒ったという事件もありました(笑)。

――どのシーンを見ていてもカメラが映し出す部分が本当に多いですよね。

片野:イベントのカメラも結構凝っていたんで、このイベントではカメラをこのあたりから撮ろうとなった時に、目の前のオブジェクトが作り込まれてなかったりすると、そのカメラにするんだったら作り込まなきゃいけないと背景の人たちが一生懸命作るというのを開発の終盤までやっていましたね。パイプの上とかからのカメラもありますが、パイプは天井にあって普通は見ないからと思ってそんなにちゃんと作ってなかったと。カメラについては、飽きさせないようにした成果だと思います。

――ゲームが進むと「世界こいこい大戦」というミニゲームが遊べるようになりますが、こうした遊びの仕掛けはほかにも用意されているのでしょうか?

楠:ミニゲーム的なものだと「いくさちゃん」という、バトルを好きな時に遊んでいただけるというのは大きなものとして一つ用意させてもらっています。「いくさちゃん」は自由行動時に格納庫に行くことで、いつでも遊んでいただけるようになっています。

あと探索的な小ネタとしては読み物を結構多めに用意しています。本作から入ったユーザーさんが知らない情報もたくさんあると思うのですが、、資料室の本棚に昔の帝劇の資料があって、そこで旧作の情報も厚くフォローしています。旧作を知らないユーザーさんは、ぜひそれを読んでいただけたらなと思います。

また、かわら版を駅や帝劇前で読むことができます。自由に動けるようになる度に内容が変わるのですが、各ヒロインの小ネタがあったりとボリュームたっぷりに作ったのでぜひ読んでいただきたいです。

片野:そういえば超戦士キャミヤマは誰が作ったの?

楠:シナリオ担当がノリで作ったんじゃないかなと(笑)。……「超戦士キャミヤマの歌」という謎の歌があるんですよ。

片野:本当に(田中)公平先生に曲を付けてもらいたいなと(笑)。

――作っていく中で面白いと思ったネタが入っていくという感じなんですかね(笑)。

楠:そうなんですよね。ゲーム内でもアナウンスしてないので、寄り道して見つけてほしいなと思います。

――ゲーム進行に応じて花組のキャラクターとより密なコミュニケーションができるパートもありますが、こちらもいい意味でこっ恥ずかしくなるようなシーンの数々が印象的でドキドキしました(笑)。

片野:それは良かったです。入れた甲斐がありました(笑)。

コミュニケーションモードはアドベンチャーパートにおける最後の大ネタとして入れました。これだけだとアドベンチャーゲームのテコ入れになっていないから入れてと言ったのが、去年の11月・12月ぐらいですね。コミュニケーションモードはもともと入る予定ではあったのですが、その時考えていたものとは全然違っていました。これだと足りないからと、最初はボイスも入っていなかったのをすべて録らせていただき、最後の最後で今のかたちになりました。

――最終的にヒロインとの距離が縮まってきますが、こう畳み掛けてくるような感じが印象的でした。

片野:あれはもういいオッサンたちがアップ良いよねと話をしながら、どこまでアップでいけるというやり取りをして限界までいこうよと(笑)。

――ゲーム内のコミュニケーションでイメージするのは、こちらのアクションに相手が反応して、仲良くなったらプラスアルファがあるぐらいの感じなのですが、本作では段階を踏んでいくのがあまりない感覚でした。

片野:ありがとうございます。なるべく本番でそれを感じていただきたいので、こちらもあまり厚くは情報出してはいないんですよね。

――ちなみにこのパートは話の流れに沿って発生するような感じでしょうか?

楠:ある程度信頼されていないと発生しないようになっています。シナリオ上は起こるタイミングが決まっているのですが、そこで起こるか起こらないかはその時までに信頼されているかどうかで変わってきます。

■花組全員が操作できる案も?ドラマを見せる上でのバランスを追求したバトルパート

――続いてバトルパートについて伺いたいと思います。改めて、本作におけるバトルパート全体のコンセプトについてお聞かせください。

岡田:先ほどもお話ししたとおり、これまでシミュレーションだったパートをアクションに方向転換したので、「サクラ大戦」らしさを失わないことをかなり意識して作っていました。

「サクラ大戦」シリーズはキャラクター性やストーリーをすごく大事にするゲームなので、アクション性を追求しすぎていってしまうと、キャラクター性が薄くなってしまう恐れがありました。

「新サクラ大戦」では戦闘中でもキャラクターがよく喋りますし、戦っている裏で話が進んでいくようにしていますが、戦っているのに集中していると話が全然頭に入ってこないということになりがちなので、難しすぎず、かつ簡単すぎて飽きないバランスを追求していて、そこがコンセプトの一つになっているかなと思います。

――アクションの触り心地はテンポ感があって良いなと思う反面、初見では難しい印象を持つ可能性もあるのではと思うのですが、ゲーム内ではどういったフォローを考えられているのでしょうか。

岡田:「サクラ大戦」を遊んでくれているプレイヤーの方はアクションが得意ではない人もいるだろうなというのはこちらでも想定はしていて、その対策は結構苦労しました。

シリーズ伝統の要素として「信頼度」という要素があって、アドベンチャーパートでヒロインと仲良くなっているとバトルパートで活躍してくれるるのですが、それは本作でも実装しています。

また、バトルパートにはゲームオーバーがなく、体力が0になったらチェックポイントから再挑戦するのですが、その際に機体のパラメータを上げた状態で再挑戦することができます。何回でも再挑戦することができ、最終的には敵からのダメージを全然受けずにプレイすることもできます。

片野:天宮さくらがイベントでも「絶対に諦めない」と言ってますけど、あの通り絶対に諦めずにやっていれば進めるようになっています。

――もともと攻撃を多少受けても押し切れればクリアできるような感覚にはなっていると思ったので、今のお話を伺って納得しました。

岡田:敵の体力を低くしてサクサク進めるようになってしまうと、戦闘中のセリフが終わる前に進んでしますというジレンマがありまして、戦闘の尺をある程度稼がなければいけなかったというところもありますね。

――神山、さくら、初穂、あざみ、アナスタシア、クラリスと、キャラクターごとに操作性が異なるのも面白い部分だと思いますが、改めてキャラクターごとの機体の特徴をお聞かせください。

岡田:基本的にはどのキャラクターでどのステージをやってもクリアできるように調整はしていますが、大まかにオールラウンダー型と近距離型と遠距離型に分かれています。

さくらと神山はオールラウンダーで、もっとも扱いやすいように調整しています。

初穂とあざみは近距離型で、初穂は一撃が強く、あざみは手数が多い。それぞれ接近戦で力を発揮できるようになっています。

アナスタシアとクラリスは遠距離型で、遠くから攻撃していれば敵の攻撃を寄せ付けないで勝つことができるのですが、攻撃の隙が大きめで、防御力も弱めに調整しています。うまく立ち回らないと敵に囲まれてしまいます。

――操作について2人の機体を切り替えるというのは当初から考えられていたんでしょうか?

片野:初期の初期から2人ではなかったよね。

岡田:最初は花組全員でドーンといきたいというところで、全キャラを出すというコンセプトだったのですが、アクションゲームで6人を使い分けてというのはさまざまな問題がありまして、いろいろな道を模索していった結果、使える機体は制限して、残りの機体は途中で乱入してきてくれるという感じで、チームとしての一体感を出していこうというかたちになりました。

――アクションゲームで全キャラを出そうと考えていたことには正直驚かされました。

片野:そこは結構葛藤があったんですよね。例えば初穂推しだからもう全ステージ初穂でプレイしたいという方がいたりして、そういう方の欲望を再現するためには入れたほうがいいんじゃないかという意見もあれば、それこそクラリスの当番回でクラリスがまったく出なかったら、“ドラマチック3Dアクションアドベンチャー”と言っていいのかなというところもあり、最終的には後者のドラマをバトルに取り入れたいというところが勝りました。その名残がバトルシミュレーターで一通り遊べるというところです。

――そこがアクションに変えたからこその難しい部分ではありますよね。

岡田:そうですね。試行錯誤した結果ではあります。

――ゲームが進むにつれて歯ごたえを生み出すためにバトルパートとしての難度も上がってくるのかなと思いますが、主にどういった要素が加わってくるのでしょうか?

岡田:やはりプレイヤーを妨げる敵やボスは当然強くなっていきますし、ステージに配置されているギミックも、後半に行くほど難度の高いものが出てきます。また、プレイヤーがびっくりするような要素が中盤に用意してありますね。それは実際に遊んでもらって、これのことかと気づいてもらえればうれしいです。

あと先ほども話に出た「いくさちゃん」というバトルシミュレーターはやりこみ要素として用意していますし、シリーズ伝統のヒロインとの合体攻撃もキャラクターと仲良くなって初めて出せるものなので、やり応えの一つにはなると思います。

――今作ではストーリー進行によって行われる「世界華撃団大戦」もありますが、通常のバトルとの差別化として意識した点はありますか?

岡田:華撃団大戦はほかの華撃団と競わなければいけない点を実現するのがすごく難しかったです。本当にガチの対戦にしてしまうとストーリーを楽しめなくなるというのがあったので、試行錯誤した結果、今の形になっています。コンセプトとしてはこれも難しすぎず、かつ手応えを感じられる落としどころとして、どのキャラを選んでも話を楽しめるような難易度に落とし込んでいるというところになります。

片野:通信画面とかで自分のチームの人たちが話に入ってきたりもするし、実況も入るので盛り上がりが感じられるようになっています。

岡田:状況によるセリフもたくさん用意しているので、(ほかのバトルと比べて)おそらくセリフ数は一番多いんじゃないかなと思います。

――ちなみに、ゲームの進行的にはどのあたりで触れるのでしょうか?

片野:最初に触れるのは3話になりますね。

――本作を遊ぶ人の中にはアクションが苦手な人もいるとは思うので、プレイヤーが遊ぶ上でのアドバイスのようなものがあればお聞かせください。

岡田:特に体験版を触っていただいたお客様はボタンを連打しているだけでサクサク進むという印象を持っていただけていると思いますし、こちらとしてもそのつもりではあるのですが、やはり手応えもあるものにしたいので、後半になるにつれて、ボタン連打だけでは進めなくなってくるようなシチュエーションも出てきます。

そういうときに特に意識してほしいのは、敵の攻撃に合わせて回避を行うことです。闇雲にずっと攻撃し続けるのではなく、回避した隙に敵を攻撃することを意識してもらうと良いかと思います。

あとは機体の交代ですかね。じつは、自分が操作していないほうのキャラクターは、敵から受けるダメージが少なくなっているんです。なので、体力が減って危ないなと思ったら、機体交代することで、ピンチをしのげることがあります。

片野:アイテムをちゃんと拾って霊力ゲージを溜めておくのも大事ですね。必殺攻撃をちょうど良いタイミングに出すというところと、僚機のゲージが溜まっている時には交代して必殺攻撃を出すというのも必要になってきます。逆に自分のゲージが溜まって、僚機のゲージが溜まっていない時には入れ替えてアイテムを取るぐらいのことをしたほうが、アイテムを有効活用できるので良いと思います。

――全体的にステージ中の切り替えは積極的に行ったほうが良さそうですね。

岡田:1キャラだけで突き進んでいると絆ゲージが下がってしまうこともあります。

片野:絆を大事にということですね。

――こうしてお話を聞いていると、意外と気づけていない部分もありましたし、上手く立ち回れない人でも、上手い人のプレイを見てるだけで気づける部分もありそうですね。

片野:ゲームの中でもなるべく説明しようとはしているんですけど、字がたくさん出てきて読ませるというのはあまり親切ではないですし、このご時世では動画で解説してくださる方もいらっしゃるので。ご要望があれば岡田が動画を撮ってアップしてくれると思います(笑)。

――確かに突き詰めて面白さを感じてもらうとなるとそのあたりも大事になりそうですね。そろそろまとめに入りたいと思うのですが、その前に発売後に予定されている追加コンテンツについてもお聞かせいただけますでしょうか?

片野:今後発表していく内容にはなってくるんですけれども、ダウンロードコンテンツ(DLC)として、先日の生放送でも少しお見せしたコスチューム系のものを予定しています。どんな時でも楽しめるようにという形なのと、懐かしいものから期待通りのものまで幅広く揃えていますので、お楽しみいただければと思います。あとはテーマもいくつか準備しています。

――ゲームは発売になりますが、正直ゲーム以外の展開はまだまだこれからですよね。

片野:もう発表させていただいているものからまだ発表していないものもあったりするので、そのあたりはずっとみなさんに情報を発信し続けていければと思います。あとは公平先生も仰っていましたけど、早くゲームの内容でみなさんと盛り上がりたいとは我々も思っています。発売後もネタバレは言えないと思いますけど(笑)、できればどこで盛り上がっただとかこういう話は良かったとかを聞きつつ、次に生かせればなという風に思っています。

――最後にゲームを楽しみにしているファンの方にメッセージをお願いします。

岡田:「サクラ大戦」シリーズで久々の大型タイトルということで、ファンの方はもちろん、これまで触れたことがない方にも、ぜひ新しい「サクラ大戦」を楽しんでいただければと思います。

楠:キャラクターの可愛さやその世界観、そしてなんといってもシナリオに重きを置いて作っているので、ぜひ楽しんでいただけたら嬉しいなと思います。

片野:話は本当にいいですよ(笑)。泣ける場面もありますし、笑える場面もありますし。私は泣ける場面も笑える場合も本当にすごく気に入っています。神崎すみれ役の富沢美智恵さんがすごい演技をされているので、涙なしには語れません。これは新規でプレイされる方も泣けるものになっていますし、うちのスタッフの中で旧作を遊んでいないという人でもすごく感動しましたと言っているぐらいなので、安心してプレイしていただければと思います。よろしくお願いいたします。

――ありがとうございました。

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