行きたい中学 部活で選択 生徒減で南砺市教委検討 各校に拠点の部活

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 南砺市教育委員会は、希望する部活がある中学校に校区を越えて通うことができる仕組みの導入を検討する。市内の全8校を「特認校」とし、拠点となる部活動を配置して生徒が選択できるようにする。生徒数の減少に伴い、各校で部活動の継続が困難になっているのが検討の理由で、導入されれば県内初。ただ、通学距離が伸びるほか、どの学校にどの部を残すかなど課題もある。(福光・城端支局長 湯浅晶子)

 10日の市議会本会議で、山田清志氏の質問に松本謙一教育長が答えた。

 市によると、市内中学校の2009年の生徒数は1526人。19年は1218人となり、10年で300人余り減少した。一方、部活動の数は19年現在で8校に約80あり、ここ10年はほぼ横ばいとなっている。

 各校で部活動の統廃合が進まない中、部員数の減少に苦しむ学校は多い。9月に開かれた砺波地区新人大会には、福光中の男子バスケットボール部が部員数が足りず出場できなかった。

 松本教育長は本会議後、「頑張って練習しても大会に出場できない、勝てないという環境をなんとかしたい」と説明した。

 市教委は今後、8校に団体種目をバランスよく配置することを検討する。

 実現には課題が多いことから、市教委は3月にも教員や体育協会、スポーツ少年団、保護者らでつくる「市中学校部活動の在り方検討会」を発足させ、制度を導入できるかどうか話し合いを進める。部活動の在り方が地域ごとに異なることや、将来的な部員数も踏まえて検討する見通しで、導入する場合は21年4月の井口小、中学校の義務教育学校移行後となる。

 松本教育長は「部活を通じ、生徒に自信や達成感を養ってもらいたい。南砺市の子どもを市全体で育てる体制をつくりたい」と強調した。

■「あくまで課外活動」「指導者を選べる」

 南砺市が検討する部活動による中学校選択制について、専門家や保護者からは慎重な意見が出された。

 富山大の橋爪和夫教授(体育科教育学)は「部活動はあくまで課外活動。学校は教育内容で選ぶべきではないか」と指摘。伝統や実績がある部活動を持つ学校に生徒が集中する恐れもあるとし、「義務教育で実現するのは難しいのではないか」と語った。

 「遠くの学校に通うことになったら、送り迎えができない」。小学6年生の長男がいる南砺市の母親(45)は、そう心配する。ただ、「大勢で練習したほうがやる気もアップする。こうした動きは歓迎したい」と一定の理解を示した。

 高岡市の少年野球チーム「戸出西部サンダース」の中山強監督(51)は「ありだと思う」。現状は競技経験のない先生が指導するケースも多いとし、「選手が指導者を選べる環境も必要」と新制度を歓迎した。