高岡テクノドーム増改築を県検討 2023年春完成目指す

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県が増改築を検討する高岡テクノドーム=高岡市二塚

 県は、大型展示施設の高岡テクノドーム(高岡市二塚)を増改築し、第5世代(5G)移動通信システムなど最先端技術を備えた設備の導入を検討する。北陸新幹線の敦賀開業が予定される2023年春までの完成を目指す。石井隆一知事が10日の県議会予算特別委員会で、米原蕃氏(自民)の質問に「前向きに検討する」と答えた。

 テクノドームがある新高岡駅周辺は、イオンモール高岡が今年秋に増床リニューアルするなど開発が進む。新幹線の敦賀開業やその後の大阪延伸で、県外からの誘客につながるイベントニーズの高まりが見込まれることもあり、増改築に踏み切ることにした。

 大幅改修や別棟の新設などを想定しており、詳細は今後検討する。5G設備を導入するほか、千人以上の大規模会議に対応できるようにするという。

 予算特別委で米原氏が「仮想現実(VR)や5Gなどをうまく活用してはどうか」と再整備を提案したのに対し、石井知事は「展示や集客、交流機能の充実に努める時期だろう。最先端技術を備えた魅力ある施設を検討したい」と述べた。

 テクノドームの建設費は約32億円で、1991年に完成した。3050平方メートルのドーム型展示場を備え、産業イベントやコンサートなどが開催されている。今年9月には北陸最大のeスポーツイベント「トヤマゲーマーズデイ2019/5Gコロシアム」の会場になった。

 完成から30年近くたち、機材の更新や客席の改善などを求める声が地元経済界を中心に上がっていた。

■武道館誘致合戦で県西部振興に配慮

 石井知事が高岡テクノドームの増改築に言及した背景には、「武道館機能を持つ多目的施設」を巡る議会内での誘致合戦がある。富山市内での建設が有力視される中、「バランスある発展」を求める議会側の意見を踏まえ、県西部の振興に配慮した形だ。

 建設地については、8月に整備方針が固まってから議会の関心が高まり、9、11月両定例会で相次いで取り上げられた。特に県西部選出の議員が新高岡駅周辺での立地を要望。県内外からのアクセスの良さを前提に「富山駅周辺」をにじませる県側の答弁に、抵抗感を示し続けた。

 最大会派の自民党内でも意見が割れ、着地点を見いだせない状況に、会派の重鎮である米原氏がテクノドームを活用した県西部の活性化を提案。これに知事が呼応し、議論の収束を図る格好となった。

 多目的施設の基本計画検討委員会は年明けに会合を開き、複数案の中から建設地を選定する予定。誰もが納得できる最適な用地を確保できるかが焦点となる。 (政治部・中谷巌)