水道「みやぎ方式」導入巡り論戦 宮城県議会11月定例会

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 宮城県議会11月定例会で、水道3事業の運営を民間に委ねる「みやぎ型管理運営方式」を巡る論戦が交わされている。10日までにあった4日間の一般質問では与野党の議員9人が取り上げ、県民への説明不足などを指摘した。関心の高さをうかがわせる一方、「踏み込んだ議論が足りない」との声も上がる。

 質問の主な論点と延べ人数は表の通り。県側の説明責任をただしたのは7人。みやぎ県民の声の石田一也氏は「導入のデメリットが説明されていない。拙速に採決せず、継続審議すべきだ」と異を唱えた。

 選定企業の「財務や災害時のリスク管理」が次に多く、自民党・県民会議の村上智行氏は導入を前提に「経営破綻や災害などのリスクにどう対応するのか」とただした。

 200億円超とされるコスト削減の実現性を疑問視する声も相次いだ。民間が運営した場合の経常収支など具体的な試算の根拠を求める声が上がった。契約満期となる20年後の「県職員の技術継承」を懸念する向きもあり、無所属の会の菅間進氏は「現場を持たなければ人工知能(AI)など技術革新への対応力が落ちる」と述べた。

 水道事業の広域化に言及した県民の声の佐藤仁一氏は、首長経験を踏まえ「人口減少社会の中で経営体をどう安定させるかが課題。広域連携の検討が欠かせない」と提案した。

 企業の選定基準に関しては公明党県議団の横山昇氏が「企業が専門的な能力を有しているかどうかの判断が重要だ」と強調。その他として「民間業務委託でコスト削減はできないのか」「地元企業への影響は」などの質問があった。

 県企業局の桜井雅之公営企業管理者は、県民への説明責任について「導入までにあらゆる機会を捉えて情報提供していく」との答弁を繰り返している。

 ある野党関係者は「一般質問はまるで過去のコピペ(文章の切り貼り)だ。赤字に苦しむ市町村水道の再建など根本的な議論が足りない」と指摘する。みやぎ型方式の導入を可能にする条例改正案を巡る論戦は、13日に始まる建設企業常任委員会に移る。